【司法書士業務】とあるチラシを見たことで、改めて「不当誘致」のことを書いてみる

久しぶりに、こういうチラシを見てしまったので、書いてみました。

改めて「不当誘致」のことを

こんな感じで「お願いされても」ダメなものはダメなんです!
こんな感じで「お願いされても」ダメなものはダメなんです!

私の事務所に先日、

「売り(もしくは買い)物件の紹介をしてもらったら、仲介手数料の25%をマージンとして渡します」

といった、業者さんからのDMが届きました。

業者さんからしてみたら、自分の会社に仲介物件を紹介してもらったから、お礼として渡すのは当然なんだということで、商習慣としては至極当たり前に行われている慣例なんですが、司法書士業では、それは通用しないということを存じ上げていなかったようです。

そのことをFacebookで投稿してみたところ、メチャクチャ反応もあったので、ちょっとエントリーしてみようと思い、書きました。

司法書士倫理13条には

  1. 司法書士は、不当な方法によって事件の依頼を誘致し、又は事件を誘発してはならない。
  2. 司法書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、その対価を支払ってはならない。
  3. 司法書士は、依頼者の紹介をしたことについて、その対価を受け取ってはならない。

とあります。この司法書士倫理自体には罰則規定はないにしろ、これを違反する事は「司法書士の品位保持義務違反」にあたり、懲戒に値するものです。
司法書士倫理規定はコワいの巻: カエルのおじさん所長のブログ
このエントリーがわかりやすいです!

この、職業倫理については、私も、何度かエントリーも書いてます。

【司法書士業務】職業倫理について考える | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
もうすぐ、今年度の簡裁認定試験が近づいてきました。私もこの試験に関する青年会での講義が近づいてきております。法務省:平成25年度簡裁訴訟代理等能力認定考査受験案内で、またこの本を読む時がやってきました…

【司法書士会】配属研修ログ㉑ 「職業倫理」については毎回熱く語ります。 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
先日の、配属研修でした。GWは、どうでした?【司法書士会】「年次研修」は司法書士の職業倫理感をリフレッシュさせる大事なモノであるということ | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所むちゃくちゃ大事です…

なぜ「紹介料」をもらうといけないのか。これについては、いろいろ意見も別れるところではありますが、私の理解としては、

「公平中立な立場で『ヒトモノイシの確認』を行うのが業務である専門家」が、マージンをもらう事で中立な立場を保てなくなる恐れがあるから

と考えています。

世間の常識・司法書士の非常識

引きずり込まれないように...
引きずり込まれないように…

ビジネスとしては、「紹介に対するお礼として『紹介料』を支払う」のは常識でもあります。

ですが、私達は、あくまでも「当事者」(不動産の所有者など)の代理人でしかなれず「不動産屋さんの代理人」ではないわけです。

なのに、そこで金銭の授受を起こしてしまうと「当事者が蔑ろにされてしまう」危険性が出てきます。

なので、こういったものをもらう事は出来ません。

ただ、司法書士を開業したての人は、こういう話があると「先立つ物は…」と考えてしまって、手を出しがちになりますが、堪えるようにしたほうが、今後の為だと思います。

というわけで、本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。