朝の読書時間で読み終えた本を紹介しています。
レビュー
読書時間5時間(読書日数 14日)
半沢直樹シリーズの第3弾
東京セントラル証券に出向した主人公が、ある買収案件に関わるが、その中で様々な問題に直面する。それをどうやってくくり抜けるのか。今作で一番言いたかったことは「自分の仕事に誇りを持っているのか。何が本当の意味の仕事なのか」ということである。
「自分のために仕事をする」のではなく「お客のために仕事をする」ことの重要性を再認識させられた。
「バブル世代」の者たちが、今の社会を築いてしまったという事実をうけて、また「ロスジェネ世代」と呼ばれる者たちが、これから自分たちの後の世代に向けてどうやって自分たちの仕事をしていかなくてはならないのか。それは私自身も仕事をする上ではずっと考えなくてはならない永遠のテーマとなりそうである。
相変わらず読書時間はかかってしまったが、内容は面白かった。
こんなことを言ったら池井戸ファンに怒られるかもしれないが「ドラマ化」して欲しいと思った。
(『ロスジェネの逆襲』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ)
仕事をするという本当の意味
私も司法書士として、たかが6年ほどしか経っておりませんが、前職は「ドラッグストア」で働いておりました。
その時は「お客様第一主義」という会社の経営方針があり、理解をして仕事をしていたつもりですが、真意のほどは定かではありませんでした。というのも、以前は「雇われている」という現実からは逃れられないわけで、いくら「会社のため」とはいっても、そこは所詮人ではありますので完全には思えなかったりします。また、若いという事もあって社会人というものをナメていた事と思います。
前職をヤメて今の仕事に就いた時も、数年は補助者という立場でしたし、しかも、この仕事をやりたくないと強く思っていた時期がありましたから、いい加減なわけですよね。
ですがある時期をきっかけに「この仕事に命をかけよう」と思う様になってからは、これでもかという位勉強をしてきたし、そのおかげで今の資格を取る事ができてもいるわけですから、これからは「自分がどれだけ社会に貢献できるのか」という事を念頭に置いて働かなくてはならないという事を誰よりも認識しているつもりであります。
このシリーズに出てくる主人公の半沢直樹は、ただ自分の為だけに働く「バブル期に就職したバンカー」であるにもかかわらず、全く保身的ではなく「ただバンカーとしての誇りと使命感を持って、顧客の為にどうするのか考える職人のような」人として描かれています。
どうしても「倍返しだ!!」というフレーズが目立ちすぎて、ただの反骨心の固まりみたいなヤツなのかと勘違いしてしまいそうなのですが、そうではないんですよね。
最終場面にでてきた、部下の森山との会話のシーンを読んで「こんな職業人にならないといかんぞ!!」と改めて強く思いました。仕事人として生きてゆくという事は一体どういう事なのか。小説をよんで、こんな思いをさせられたのは始めての経験でした。池井戸作品がみんなにたくさん読まれる要因を見たような気になりました。
相も変わらず読書時間はめちゃくちゃかかっております。でも、これが自分の読書能力であり、読書方法であると思っています。というより思う様になりました。
「早く次々と読まなくちゃ!!」と焦ると、何が目的になるのかが分からなくなってくるからですね。甘いと思われようが、これが私の「読書道」と思う様にします。
次の「銀翼のイカロス」がでたら、もう間違いなく読みたいですし、周りにどう思われようとも、ドラマ化してほしいと節に願います!!
本日はここまでです。有難うございました。