本当は、その日にあげたかったのですが、大会終了後に、熱が出でしまいまして、回復に努めておりました。ようやく復活を遂げることができましたので、遅ればせながらのエントリーとなりました。
青年司法書士会の全国大会!
毎年1回開催される「青年会の全国大会」今年は、こちらで行われました。
全国青年司法書士協議会
なら100年会館:::Nara Centennial Hall:::
昨日は、少し家を早く出て、こちらで下車!
昼食はここと決めていたからです。
当然の全部のせ。
美味しくいただきました。
ここからは、このカロリーを消費するために、会場まで歩きます。
テーマは「跳ぶ」
会場では、せんとくんが出迎えてくれました。
今回のテーマは「跳ぶ」ということで、司法書士の不安を払拭するためにどうしたらいいのかということについて、3部構成で行われました。
ここからは、研修ログを書いていきます。
基調講演「ホップ、ステップ、法律家」
- 裁判学専門の観点から司法書士をどう見るか。
- 司法書士の存在感は増していると感じる(認定・法テラスなどの充実)→必要とされているからこそ、制度が拡充している
- 司法書士は「生成途中の法律家」(江藤先生)→自分自身では「法律家」とは呼ばない「法律実務家」「法律専門職」と呼んだりする→自信がないのか?
- 今でも根幹は「登記関係(今でも中核業務)」と「裁判書類作成」→当初は「裁判書類作成」が中心であった(登記も「裁判手続」の一つ)本来業務は「裁判業務」にある!
- 単に「代書屋」というだけではない→国民の需要があった(弁護士サービスが行き届かなかったから)
- 裁判書類作成が根幹であるにもかかわらず「登記手続」が司法書士の根幹になったのか?→先人たちが、そういう「実績」を作ってきたから。認定も後見業務も「実績」を圧倒的に積み上げてきたおかげで、認められたのではないか。
- 活動には制約がある(ダメな場合も想定しながら事件を考えていく)→司法書士の特徴である。登記に関しても「調査士」「税理士」「弁護士」との関わり合いをかんがえる。後見業務についても「行政機関」「民生委員」にもつなぐことも考えている。
- 自分の業務範囲のことはするが、それ以外のところは他業種に振ることができる法律家である。
- 「当事者主体性志向」の法律家→本人が言いたいことを、しっかり聞き取り書面に起こす必要があり、本人が法廷で何をするべきなのかを丁寧に説明する必要がある→当事者の「元気」を取り戻す。
- 都市部では「本人支援」が増えている→「自分で戦いたい」という人に対しての支援ができる。これは「成年後見制度」にも言える(「本人の意思」を尊重するから)
- 「本人のいいなりになる」というわけではなく、時には厳しく「対立」をすることで、本人に主体性を持たせる。
- 「福祉国家型」で「私的自治型」の法律司法書士は「少し過剰な親切を(他士業につなぐ、債務整理)施しながらも、本人に主体性を持たせるようにする」法律家
- 地域との関連性(本人のコンタクトや、周りとの連携)がとても重要→ABLなどの提案など。
- 「法律家」とは?⑴法的判断を行う⑵対立する当事者に入ることができる⑶個別事案を個性を踏まえた上で対応できる
- 本人申請が増えていることに不安を持っているが、そう思わない→ネットの知識は「法体系」や「経験」がない知識である→それを提供できるのが司法書士である
- 福祉国家的な側面が強くなってきている(私的自治の側面が薄く)
- 他業種の業務の理解が必要である。(特に初めて「一緒に」仕事をした時に、信頼関係を築くこと)
- 「やりがい」を感じることは「先輩」とかかわる必要がある。
- ジェネラリスト(かかりつけの医者)を目指す!
アンケート調査報告(奈良県青年会)
- 「登記」→専門性に自信があるのと、ないのとで葛藤→自分のことばかり考えがち→社会から必要とされなくなってきているのではないか?→社会・国民の権利を守るものである視点を忘れないこと!
- 「裁判」→躊躇している→裁判は「実体関与」そのもの(司法書士の根幹である)だから、取り組まなくなったら「司法書士」の存在意義が薄れていくかもしれない。
- 「後見」→本来業務として期待している→制度自体の運用や他業種の積極参入により(そもそも独占業務ではない)→法律家として個人の尊厳を重んじ積極的に制度設計へ関与していく(専門性の発揮)
パネルディスカッション「跳ぶ」
- 不完全な法律家であるからこそ、みんなが一致団結して制度が発展していった。
- 今の若手は不安を感じている→登記案件が減り、弁護士が増えている→司法書士制度の変化の仕方を見ると、フィールドは大きくなっている現状はある→期待されてはいるので、それを受け入れる。
- 司法書士は、紛争解決に関わる人が少ない→裁判の実務の見本を見せてくれる先輩がいなかったのも原因→裁判業務は根幹である(筋トレ)→不安は払拭出来ないが、とにかく「やる」という気持ちを持つこと!
- 弁護士にはかなわないからやらない→「当てはめ」的な仕事しかしないというこた事態が問題である!
- 困っている人との出会いの場をたくさん作る→困った人を見たら、何とかしてあげようと思う→そういったことで「やりがい」を見つけることにつながる。
- 利用者が「誰かに相談できるのか」→人々が常にニーズを持っていること以上に「専門家とのコンタクト」を持つことで、それに気付くことがある。
- 法律家は「儲かる」仕事ではないのか?→法律家の仕事は「上手な対立関係を作ること」など、大変な仕事であるので、見合う報酬をもらわないといけないし、議論をする必要がある。(最近では「顧問料」としてもらえるようにもなってきた(後見業務・財産管理など))
- 適正報酬に悩んでいる司法書士が多かった(報酬規定の復活)→報酬規定の撤廃以後、議論がなされてなかったのが問題である。
- 書面作成は、それだけで終わるものではなく、様々な前段業務を踏まえて作られるのだから、それをキチンと報酬に入れる。→自分で「報酬」を決めること(業務をどう考えて、どう評価するのか)
- 司法書士の専門性を司法書士自身が信用していないのではないか?それが不安に繋がっているのではないか→思考停止をしてはならない。
- 「何かに特化した専門家」は、ちっちゃくまとまっていてはダメ→窓口を広げて「何でも引き受けていく」という事もやっていく必要もある。
- 法律家のソーシャルワーク的な活動→それによって新たな依頼者もくる(それは依頼者にとっても利益である)
- 司法書士も「法律家である」ということを、もっと自覚したほうがいい。当事者の主体性を全面に立てた法的業務をするというのが司法書士である!
- 本人訴訟こそ、裁判の原型である→それを最もサポートをするのに適した専門家は司法書士である。
- 本人支援をできるようにするためにはどうしたらいいか→地域でつながるネットワークをキチンと構築する→法律問題だけではない。市民の需要は様々ある。
- 愚直に寄り添うというのはしんどいが、やり方を見つけ続け、変え続けていかなくてはならない。
まとめ
今回痛烈に感じたのは、「登記業務も立派な裁判手続き業務だった」のだから,当然に裁判業務に向き合わなくてはならないのに、それをおざなりにしている自分でした。
まざまざと現実を叩きつけられたというのが、今回の印象でした。これからは本当にしっかりと向き合っていこうと思います。
本当にいい大会でした。
あとは、夜の遅くまでの「懇親会」そして「兵庫ナイト(二次会)」と続きました!
前回の全国研修も非常に考えさせられるものであったのですが、今回は「魂が揺さぶられるような」大会だったように思います。これからも、できるだけ参加して、いいものを吸収できるようにしていきたいです。
というわけで、本日はここまでにしておきます。ありがとうございました。