昨日は久しぶりに研修会に参加ができました。
災害相談会の事前研修
先日の熊本で未曾有の地震があってから、約1ヶ月弱、経過しました。
熊本地震:朝日新聞デジタル
以前の東北大震災の時は、何もできなかった自分がいまして、ちょっと歯がゆい思いをしたのですが、今回被災した場所は、以前の全国大会に行った場所でもあります。
【司法書士会】全国研修会in熊本 1日目 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
【司法書士会】全国研修会in熊本 2日目 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
なので、今回はどんな形で自分が「司法書士として」支援できるのかということを考えたいと思い、この研修に参加しました。
今回の講師は、震災などの相談会に何度も現地を訪れられている、石神健吾先生です。
司法書士 島田雄三事務所
石神先生の所属する司法書士事務所です!
研修ログ
- 4月に起こった熊本震災のことで、司法書士に何ができるのかということを勉強していきたい。
- 阪神淡路大震災の時に諸先輩方がご尽力された→その時先輩から伝えていただいたことを今後伝えていきたい。
- 必要とするのは民法・借家法(判例)→相談会でのスキルで問題はない。臆する必要はない。
- レベルによらず、被災された人は「何を心配したらいいのかがわからない」→一般的な相談でいい。情報の整理をしていく。
- 司法書士が関わった初めての災害に対する法律相談→当時は法律相談という概念がなかった。そんな中相談箇所3000、相談件数は25000以上という、当時のエネルギーはすごかった。
- 状況の把握が増えていくにつれ、被害状況がどんどんひどくなっている→それだけ避難所での相談の需要が増えていく(どのような援助が受けられるのか)
- 災害救助法・被災者生活再建支援法の知識が必要
- 災害救助法→現物支給の根拠となる。(特に住宅の応急修理制度について)→内閣府のHPに詳しくのっている。
- 被災者生活再建支援法→見舞い金の性格があるので、相続の対象にならない。
- 罹災証明と応急危険判定とがリンクしていないため、揉めることがある→「被害状況の写真を撮っておく」とアドバイス!
- 一回目の相談ですべての事柄が解決することはありえない!→とりあえず整理ができるように導く(資料を見ながらでも!)
- 多いのは、民法・借家法・相隣関係→損害賠償請求の際に、不可抗力の認定を注意する(震度5を境目に)
- 災害地域保健契約照会制度・自然災害損保契約照会制度→災害救助法適用地域において使える制度(そんなに相談を受けた記憶はない)
- 労働・生活保護については司法書士として関わっている以上、ある程度の知識が必要だと思われる。
- 自治体の人も震災で混乱しているので、使える制度を忘れている可能性もある!(特に生活保護の同行申請で)
- 商業登記については今年の7/29までに申請すれば登記懈怠はない。
- 相続放棄等についても特別非常災害発生日に熊本県に住所を有していた相続人については期間を12/28まで伸長する。
- 避難所にはものすごい案内がある→その中から自分に必要な情報がどれだけあるのかが分からない。(個々の避難所で状況も違う!)→そこにあった対応を考えること!
- 司法書士としてできることは少ないが「不満のはけ口」として受け止める必要もある→支援する側も疲れないようにする!(発散することも割と重要)
- 息の長い支援をしていくために→自分でできる範囲をする(被災地に行くことがすべてではない)
- 法律家としては、何が正しいのかということも考えなくてはならないが「何ができるか」という視点で活動することが重要である
司法書士にできることは沢山ある!
今回のことで一番印象的だったのは
ということでした。
被災された方は、とにかく「何をどうすればいいのか?」という事を早く知りたいと思うわけです。しかも、場所柄によって役所や行政の対応も違うことに、本当にパニックになるといいます。
そんな時に司法書士として「寄り添う」という事を大切にする必要があり、「情報の整理をして、きちんと伝えること」が大事です。
懇親会にも参加させていただきました。その時に私の尊敬する島田先生が、
「被災したら『被災者責任』を果たさないといかん!それが法律家としての義務や」と仰いました。
それは「被災したことを受け止めて、きちんと周りに助けを求めること。そして、現地を見に来てもらう」ということです。
確かに、身内で全部防ぐことができるのが美学なのかもしれません。ですが、敢えてそれをオープンにすることで、沢山の知恵が入ってきます。そうなれば、次の有事に対応できるような情報が共有できるのです。
オーブンにすることは鬱陶しいです。でも、それをしないことには此方も動くことが叶わない。そういうことが大事なんだと。阪神大震災の時は、それをオープンにしていったとのことです。
震災はいつ起こるかわからない。もしかしたら今かもしれない。そうなった時に我々ができることはなんだろうかということを、考えさせられました。
何とか現地での相談会に参加したいと思います。本日はここまでです。ありがとうございました。