本日は、読書時間で読み終わった本を紹介します。
蹴りたい背中 | ||||
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ブクログレビュー
とある高校時代の一時を切り取った小説。少し潔癖でクラスの中で孤立している主人公が、男子生徒と理科の実験の班わけで取り残されたことから始まる。
一人のモデルの熱狂的なファンであった「にな川」は、実は主人公が中学時代のバレー部の時に無印で試食していた時に遭遇していたという話をしたところ、二人の距離が一気に縮まる。
そこからは主人公の「恋愛感情を通り越した」傷つけたい願望が出てくるのだが、揺れ動く感じがなんとなく変わった感じがするのだが(たまに分かりにくくなる)それでも、何か切なさも感じ取れた。
こういう純文学(⁈)的なものは滅多に読まないので、受け入れられるかどうかが不安だったが、その割には、情感も思い描けたように思う。こういった作品も、もう少し増やしていこう。
女子高生の「複雑な」恋愛感情
主人公の「ハツ」は、クラスの中で、ちょっと浮いています。クラスメイトを少し見下した感じではない接しているので、生物の班わけでも仲間はずれにされてしまいます。
ですが、同じく仲間はずれになっていた男子生徒「にな川」が読んでいた雑誌に写っていたモデるが、かつて中学時代に出会ったことのある「オリチャン」だと気づきます。
それを「にな川」に告白した時、猛烈なファン(を通り越しているのかも)であることから、その出会った時のことを細かく聞くようになります。
そこからはこの二人は急接近するのですが、この主人公は、どうも穿った感性を持ち合わせていて、「オリチャン」にしか興味がない「にな川」を蹴り飛ばしたい感情にかられたりするのですが、これが実は「恋愛感情」の表現なんです。つまり「オリチャン」に対して猛烈に嫉妬してたりするんですね。
二人の微妙な関係と、主人公との親友「絹代」との微妙な友達関係も、思春期真っ只中の女子高生の、揺れ動く感情描写を読んでいると、自分の高校生時代が、ちょっぴりプレイバックしちゃいました。
今更ながらに
こういった「純文学」というものは、読書嫌いな私には数年前はハードルが高く、なかなか手を出せないでいました。
ですが、この「習慣化の会」の活動を通して、読書も紛いなりに続けていきますと、不思議なもので「ちょっと読んでみよっか」という気持ちになるものです。
この作品は第130回の芥川賞を受賞した作品で、もう一つの受賞作「蛇にピアス (集英社文庫)」もきになるところです。
芥川賞-選評の概要-第130回|芥川賞のすべて・のようなもの
こういったサイトもあったんですね!
女性作家さんの作品は、難解なものであっても表現が優しいというか、柔らかいという感じが多いような気がします。だから気持ちが入りやすいのでしょうか。
こういった作品も、もう少し読んでいきたいと思います。
本日はここまでです。ありがとうございました。
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