【読書】「終末のフール」伊坂 幸太郎 著

本日は、本の紹介です。

終末のフール (集英社文庫)

伊坂 幸太郎 集英社 2009-06-26
売り上げランキング : 26673

by ヨメレバ

ブクログレビュー

読書日数 19日

「終末のフール」という題を含む8篇の短編集。全て主人公や登場人物は違うのだが、全ての短編に共通のテーマが「5年前に『8年後に小惑星が地球に衝突する』とニュースで告げられ、地球滅亡まであと3年である」という、とんでもない状況である。

ここで「3年で地球滅亡」と言われた人間たちは、どんな思いで生きていくのか?いきるということは、どういうことなんだろうかという、壮大なテーマでの短編になっていて、考えさせられるものでもあった。

確かに「あり得なくない」シチュエーションで、自分がその立場だったら、どういうことを考えて生きていくのかということを考えるきっかけになりそうな1冊。

いかんせん、読むのに時間をかけすぎたこともあって、いまいち印象が薄まってしまった。

でも、読後感は結構良かった。

もし、この世の終わりがもうすぐ来るとしたら

この夕日を見るのが、今日で最後だとしたら...
この夕日を見るのが、今日で最後だとしたら…

この作品は8篇からなる短編集となっています。ただ、全ての短編には共通の設定があって

「8年前、地球に小惑星が衝突して滅亡するということが分かり、沢山の暴動が起こった」
「そこから、5年が経過し落ち着いてはいるが、3年で地球が滅亡するということに変わりはない。」

という、かなり変わった設定です。そんな中で、

「あと3年で地球が滅亡すると分かったいたら、人はどんな生き方をするのか」

という、かなり壮大なテーマの短編となっています。

8年前に、一人息子が自殺をしてしまい(しかも、その息子は発達障害児であった)それがきっかけで娘とは、ほぼ絶縁関係になってしまったが、小惑星による地球の滅亡が分かったときに、娘と夫婦3人で息子の事を振り返りながら語り合う「終末のフール」

3年後に小惑星が地球を滅亡させるのに、決まるかどうかも分からない試合に向けて、ひたすらトレーニングを続けるキックボクサーを見て、以前、このトレーニングジムに通っていた事を回想しながら、3年後の地球の滅亡をどう迎えるのか、考えをめぐしていく「鋼鉄のウール」

など、かなり変わった短編が並びますが、

「人というのは、非日常(地球の滅亡)が迫ってきている中で、その状況を受け止め、どうやって普段通りに過ごしていけるのか」

ということについて、自分ならどうするのだろうか、そんな思いになります。

あと、

「生きるということは、死ぬ瞬間までジタバタすることである」

ということをになるのでしょうか。犯罪者だろうとスポーツマンだろうと残された家族だろうと、今この生きている瞬間に、自分のできる精一杯のことをやりきるんだという心の強さが必要なんですね。

短編だったけど…

img_5462

今回は短編集だったにもかかわらず、結構時間がかかってしまいました。なぜかあまり集中して読み込めなかったかもしれません。

そんな状態ではありましたが、それなりに楽しめる作品でした。他の作品も何冊か積ん読になっているので、読むのが楽しみです。

img_5463

あと、この短編のタイトルを見て、すぐにこれを思いついてしまったのが、なんか頭に入りにくかったのかもしれません(あっ!今月度は「人のせいにしない」のがテーマだった。イカンイカン!)

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というわけで、今日はここまでにしておきます。ありがとうございました。

終末のフール (集英社文庫)

伊坂 幸太郎 集英社 2009-06-26
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この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。