【読書】「七つの会議」 池井戸 潤 著

本日は、読書時間で読み終わった本を紹介します。

七つの会議

池井戸 潤 日本経済新聞出版社 2012-11-01
売り上げランキング : 5161

by ヨメレバ

ブクログレビュー

読書時間 6日

大企業の子会社で起こった「リコール隠蔽」という問題に立ち向かう、万年係長の戦いの物語。

ある日突然、湧いてきた「パワハラによる退社勧告」が告げられるが、その訴えをしたのが「万年係長」の八角である。

その尻拭いで営業第1課長に抜擢されたのが、長年苦渋を舐め続けていた原島であるが、たかがパワハラで、どうしてそこまでされなければならないのか、調べていくうちに、納品されていた椅子に「規格外のネジ」が使われていたことがわかる。

そのことをどうするのかということで、いろいろな会議が開かれていくのだが、会社の社風が「隠蔽」という選択をせざるを得なくなっていて、そのことで八角は愕然とする。自分も20年前に、無理なノルマを達成するために、押し付けた販売をした顧客が自殺をしたことがきっかけに、会社の体質を知ってしまったからである。

とにかく「お客を忘れてしまった商売は滅びる」のである。そのことを最後に八角は示しているのだが…

今作は「会社の組織とは何か」というテーマで描かれていたが、でできた役員はみんな「自分の保身のため」にしか仕事をしないというやつばかりだった。こういう組織では、そりゃ潰れるのは目に見えている。だが、現代では、そういう会社も沢山暗躍しているという事実もあるし、そういったことが言い出せずに、我慢して働いている人たちもいるのが事実でもある。

そこで、一歩踏み込んで「会社のために」筋を通していけるのか?

もし、自分の勤めている会社が、こういった不正に手を染めていたとしたら、どうするか?

考えさせられる一作である。(『『七つの会議』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ

「リコール隠蔽」というテーマ

隠し事は、いつかバレますよ!
隠し事は、いつかバレますよ!

今作は「リコール隠蔽」と「会社におけるコンプライアンスとは何か」というテーマで描かれています。

会社では沢山の「会議」というものが存在しています。営業会議・企画会議・取締役会…様々ですね。私も以前はドラッグストアで勤務していた時は「店長会議」や「エリアマネージャー会議」など、そういった会議に参加してました。

その時々で、いろんな発言をしているのですが、私は少なくとも「会社が発展していくためにはどうしたらいいのか」ということを中心に発言をするように努めていました。

今作に出でくる役員たちは「自分の保身のために、どう立ち回るのか」ということばっかりを考えているようでした。

  • 「自分の過ちをどう隠すのか」という考えを全面的に出す者
  • 「自分を陥れた上司に対して復讐をするために」議案を提出する者
  • 「自分の力を誇示するためだけに、何の検討もせず、人の意見に対して、ただ恫喝して批判する」者

そう言ったことが行われている会議に、主人公の八角(万年係長)は、飽き飽きしています。なので、会議中は寝てばかりだし、積極的に発言をしたりはしません。

そんな八角に、周りの社員は「ダメ社員のレッテル」を張っているのですが、入社当時はバリバリのやり手でした。

営業部長の北川と同期入社で、その当時営業成績も競っていた二人でしたが、八角が、とある老夫婦に販売した風呂の一件で、行き過ぎた営業をしてしまったため、自殺をしてしまったことがきっかけで、当時の営業部長と対立し、出世街道を外れることになってしまします。

それからというもの、八角は「ダメ社員」として、ただ働く日々が続くのですが、この度、自分の上司でもある営業第1課長を「パワハラ」で訴えるという行為に出ます。

なぜ、急にそういうことをすることになったのか?それによって、そのポストに座ることになった「営業第2課長で苦渋を舐め続けていた」原島は、八角に詰め寄ります。

そうすると、驚くべき事実が八角の口から語られます。そのことが、いろんな角度から明らかになっていきます。

会社のために働くことって

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今は、私も司法書士として独立してしまいましたので、「会社」(組織)として働くということからは、大分離れてしましました。今から「組織で働いて」と言われても、この「時間的な縛りがない」ということを手放してまで、安定した給料を持って帰りたいとは思えなくなっているのが現実です。

その代わりと言ってはなんですが「司法書士会」の組織には属しています。そういう会の仕事をするためには、そういった「委員会」の会議などにも参加しています。
司法書士会 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所

そこでは、当然ながら「司法書士会」が良くなるために、どうしたらいいのかということを念頭に置いて発言するように心がけています。

そこに「自分の保身」とかは持ち込むことはできません。そういった発言が「自分自身を追い込むことになる」ということは十分に理解をしているからです。

今回出てきた会社は、最後に「大きな鉄槌」を下されることになるのですが、そこに行き着くまでの、いろいろな人間模様が、この話を盛り上げています。ただ、いつもの「大団円」という感じではなく、ちょっと切ない終わり方だったように思いました。

それでも、楽しませてもらいました。結構夢中に読み進めることができました。

七つの会議

池井戸 潤 日本経済新聞出版社 2012-11-01
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by ヨメレバ

本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。