本日は、朝の読書時間で読み終わった本を紹介します。
鉄の骨 (講談社文庫)
池井戸 潤 講談社 2011-11-15
|
ブクログレビュー
読書日数 6日
公共事業の官製談合を取り扱った作品。今作は結構な長編だったが、楽しく読ませてもらった。
現場で働いていた4年目の主人公に突如「業務課」への異動が言い渡される。今までは現場しか知らない(しかも、かなりの熱血)主人公が「談合課」という、いわば「悪の巣窟」的なところへなぜ配属されたのか分からないまま、仕事をやるようになっていく。
そのとき「談合は必要悪」だという論理が出てきて、それを「生きるためにやっていく」という風に考え方を変えていくのだが、それを銀行勤めの彼女に諭されることで、長年の関係がギクシャクしていく。
だが、大きな地下鉄工事の入札(2000億規模)を取りに行くということになり、会社をあげて取り組むことになるが、そこで「調整」いわゆる談合の話が持ち上がる。
このまま、談合に応じるのか?それとも…
「談合」というのは、やはりダメなんだけれども、立場が変われば、そうだとは言い切れない部分もあるんだなあとも感じた。今日で話がそんなに、談合が事件に取り上げられることはないのかもしれないが、行われているのかもしれない。
「談合がなぜ無くならないのか」という、一つの疑問が解消されたのも良かった。でも、ダメなものはダメだ。(『鉄の骨』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ)
今回は「談合」
ニュースでよく見る「談合」 なぜ悪いことなのか? | THE PAGE(ザ・ページ)
私も、司法書士という商売をしておきながら、大きな公共事業の仕事(登記)はやったことはそんなにありません。
昔は父親が公共嘱託司法書士協会に登録していた関係で、補助者時代にやったことがある程度です。
なので、こういった「ゼネコン」の実態的なことは全くわからないまま読み始めた次第です。
バブルがはじける前辺りで、何度かそういう事件があったというの記憶が有ります。
という理屈に主人公も考え方が振られてしまうのですが、最後には
という風に考え方が変わります。
また、談合を巡って、長年談合を仕切ってきたフィクサーが出てきたり、談合が政治家の汚職と絡んで、特捜の調査が入ったりと、「よくある」設定にはなっているのですが、そういう人たちとの関わり合いで揺れる主人公の心の描写は、やっぱり池井戸ワールド炸裂といいますか、分かりやすくて読みやすいですね。
そして、最後のどんでん返しは気持ち良かったですね。
読書にはまってみようかと…
最近ブログの更新が思うようにできておりません。「何のためのブログか」ということを再度考える時期になっているのかもしれません。
ただ「書評」は続けていきたいと思っています。やっぱりアウトプットする大切さは感じておりますので。
なんやかんやで、もう2年以上読書してきました。「活字は20分までしか読めない」と思っていたんですが、今作からは「100ページは読む」と決めて読んでみました。なので、今まで隙間時間でSNSチェックなどをしていたのをすべて止めて、本を読む時間に当てました。
今回の作品は文庫で600ページ以上ある作品でしたが6日で読み終わることができました。読書時間はそんなに変わってないかもしれないですが、日数的には約5分の1になったので、しばらくは、このペースで読んでみようと思います。
今作でも(というより「池井戸作品」全体から)仕事に対する考え方を教えられます。
「自分の仕事に真摯に取り組み、プライドを持って、全うに生きることの大切さ」
これですね。
鉄の骨 (講談社文庫)
池井戸 潤 講談社 2011-11-15
|
本日はここまでです。ありがとうございました。