筆者の作品は、ここのところお気に入りで、最新刊がTVコマーシャルをしていたのを見たので、早速買って読んでみました。
読了直後のレビュー(ブクログレビュー)
父親に虐待を受け続けている双子の兄弟が不思議な力を持っていて、それにまつわる数奇なエピソードを綴りながらも、幼少期にトラウマになったある事件の犯人に逆襲をかけるという、ファンタジーサスペンス(と言っていいのか?)ストーリー。
この双子の兄弟の境遇が壮絶すぎるんだが、それでも前向きに力強く生きていこうとするのと、犯人を追い詰める時の最期のシーンは、さすがだなと感じてしまった。
最近でも子供の虐待事件なんかが続いていて、それに対する筆者の気持ちをストーリーに載せて展開させているところが、読んでいて考えさせられることもあった。
変わらず作品を読んでいこうと思う。
双子兄弟の不思議な力
この物語は、仙台に住む双子の兄弟(風我と優我)が主人公です。
ただ、父親にかなりの虐待を受けていて、壮絶な家庭環境にあります。
とある兄弟誕生日に、不思議な力の予兆を知ることになります。
その力とは、
「誕生日の一定の時刻に、お互いがテレポート(週間移動)するというもの」
です。
この力を使って、小学校の時に、虐められていた友達を助けたり、高校時代に、風我の彼女に迫った危険から救ったりします。
どういう流れでなったのかは、本編を読んでいただくとして、一番の話の中心は、中学の時に起こった幼女轢き逃げ事件のことです。
二人とも、その少女に対して申し訳ない気持ちを抱いており、そのまま何気なく過ごしていたところ、ひょんなキッカケで、その犯人の居所を知ることになります。
で、その犯人を追い詰める為に考えた策とは何か…
最後にどんな結末を迎えるのか…
どんでん返しぶりが、気持ちいい作品でもあります。
幼児虐待事件の重さを考える
最近、幼児虐待事件のニュースを目にすることが多い気がします。
なぜ、自分の生んだ子供に対して、そんなことをするのか…私には到底理解できません。
この作品でも、虐待をする大人が3人出てきます。
しかも、かなり陰湿であったりします。それを受けている子供の気持ちが、この作品を通して筆者は訴えているんではないかと思うわけです。
最後には、それを倒していくわけなんですが、後味はそんなによくはないです。
それでも、生きていかなくてはいけない。その為に無理矢理でも前向きな気持ちで生きていく。
そんな主人公の気持ちが読み取れる作品でした。
読了直後は、らしい終わり方をするなとは思ったけど、なんとも言えない気持ちにもなりました。
でも、そう言ったことも含めて「面白く読めた」作品でもありました。
これからも筆者の作品は、出たら読みたいですね。まだまだ、他の作品も積極的に読んでいきます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。