【読書】「仇敵」池井戸 潤 著

本日は、朝の読書時間で読み終わった本を紹介します。

ブクログレビュー

読書日数 7日

「銀行ミステリー」の短編集。今作は主人公が「庶務行員」という立場の銀行員。

短編集でありながら、一つの物語になっているという、風変わりなものだった。

主人公がとある銀行員の庶務行員となったのは、以前勤めていた銀行で、巨悪な不正を暴こうと奮闘するが、逆に罠に嵌められその銀行を辞める羽目になったから。

そこで自分が「出世と名誉に明け暮れていた自分」に別れを告げ、ゆっくりと生きていく実感を得ていた。

そこで、とある事件をきっかけに、まだその不正をしていた常務が、のうのうと生き残っていたことがわかり、又、自分のライバルでもあった行員が、謎の自殺をしたということで、主人公が真相を突き止めようとする。

短編集でもあったので、エピソード自体は、基本的に短めでわかりやすいのは当然として、それが全体の事件とリンクしていくというのが、面白いと感じた。(『仇敵』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ

ドラマ原作本

今回のクールで、第2弾をやっております。

イントロダクション|花咲舞が黙ってない|日本テレビ
 2015年7月期水曜ドラマメガバンク・東京第一銀行を舞台に、“あきらめないヒロイン”花咲(はなさき)舞(まい)と“あきらめたオジサン”相馬(そうま)健(けん)の凸凹コンビの活躍を描いた痛快ドラマ『花…

前回のシリーズも、楽しく見させてもらいました。「銀行ミステリー」と言われるジャンルではありますが、そういう側面を見せながらも、コメディな演出に好感が持てるといった感じでしょうか。

花咲舞が登場する原作本「不祥事」は以前に読了してます。

【読書】「不祥事」池井戸 潤 著 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
本日は、朝の読書時間で読み終わった本を紹介します。読書時間 3時間50分(読書日数 12日)「銀行総務特命」に続く短編集。第一東京銀行事務部に配属になった花咲舞と相馬健が、銀行内部で起こっている問題を…

今回は別のエピソードでこちらの原作本が使われているらしいので、手に取ってみました。

今回の主人公は「庶務行員 恋窪商太郎」です。
庶務行員に関するQ&A – Yahoo!知恵袋

こういう「表舞台にでない人を主人公にして、銀行の悪と戦う」というのは、池井戸作品の醍醐味でもあります。

恋窪は、今の銀行で庶務行員をやる前は、別の銀行でバリバリのエリート街道を進んでいました。そこで、ある巨悪な不正を暴こうとするのですが、逆にその敵の罠にはまり、その銀行を追い出されます。

そして、今の庶務行員となって、出世とは無関係な時間を「充実した人生を歩んでいるんだ」という実感を抱きながら業務をこなしていく毎日。

ところが、後輩行員の相談に乗っている間に、その巨悪との対決でライバルだった桜井が謎の死を遂げるということがわかります。

それで、いろんな事件を通じてその謎に迫り、また対決をしていくというお話です。

短編だけど長編だ!


なんのことかわかりにくいかもしれませんが、この作品は「短編集」になっています。

一つ一つのエピソードは、キチンと完結はしているのですが、でてくる登場人物、事件に絡む人間が共通しているので、長編としても読めるわけなんですね。面白いなぁと思いました。

また「庶務行員」としては、基本的に銀行内部の詳細については全く触れることができないのですが、以前の職場の部下や、相談に乗っている後輩行員との付き合いを通じて、かつての巨悪との対決をしていくというのが、なんとも痛快で(そして、当然に大団円)読んでいて気持ち良いのがわかります。

ドラマででてきたエピソードは、わかったのが一つだけではありましたが、ネタとして使えそうなエピソードもあったので、ドラマ化してほしいなぁと思いました。

本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。