最近話題になった事件です!ニュースにも大々的に取り上げられていました。
無資格で登記申請の疑い 中国人の依頼受け 行政書士逮捕 – 産経ニュース
重大な事件となってしまった…
このことを受けて、神奈川県司法書士会の会長が声明を発表しました。
神奈川県司法書士会
この事件は、容疑となった行政書士による登記の申請という司法書士法違反だけでなく、商業登記の悪用という問題をも含んでいる。
(中略)
今回の事件は、架空の会社の設立という不実の登記申請であり、非司法書士による登記申請であることと併せ、登記制度の信頼を揺るがしかねない到底許容できないものである。(会長声明抜粋)
とあるように、今回の事件は司法書士にとっても、また行政書士にとっても大きな事件となってしまいました。
会社の登記ってそんな単純なものなのか…
最近では、会社の設立に関しては行政書士の方々も「ビジネスのために」展開をされているのを、よくみかけます。会社の設立をするには「定款の認証」をする必要がありますが、それは行政書士でもできることになっています。
会社の登記の申請を司法書士以外の人が代理してしまうと司法書士法に引っかかります。(司法書士法第73条)ですが、必ずしも司法書士に手続き代理をする必要はありません。設立のための書面は比較的簡単なことが多いため「本人申請をすることによって」安い費用で出来るというわけです。
ですが、会社の設立ってそんなに定型的なのでしょうか?
会社とは専門用語で「法人」という言い方をします。これは「法人格」の略した言い方で、
という意味合いもあるのです。
会社を作るということは「人ひとり世の中に出すこと」と一緒なので、そんなに単純なものではありません。実際に設立に関連する条文だけでも約70あります(25条〜103条)し、株式の種類なんかも用途に合わせていろんな種類の株式を発行することができるようになっています。
そういった「単純なものから複雑なものまで網羅的に勉強しているのは司法書士だけ」と私は思います。
そもそも
商業登記は、その公示機能により商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ取引の安全と円滑に資することをその目的としている。国民は会社の登記された情報を確認することにより、その会社の実在性や代表者及びその権限等を知ることができ、安心して取引に臨むことができるようになる。そのために、登記の内容には厳格な真実性が求められている。(会長声明抜粋)
のです。
そして
司法書士単に登記に関する専門知識を有するだけでなく、高い職業倫理を制度上保持している。この職業倫理に基づき、司法書士が登記の申請を行う際は十分な本人確認及び登記意思の確認を行い、登記の真実性を保つよう最大限の努力をしている。(会長声明抜粋)
のです。
確かに会社を起こす時に費用を最小限に留めたいというのはわかります。ですが、今の社会で多種多様な会社組織を作る必要があるはずなのに、そういったことを抜きにしてしまう可能性が出てしまう以上は、そういったことを踏まえて会社を起こすことも必要です
というわけで本日はここまでです。ありがとうございました。