やっぱりこの人の小説は、本当に考えさせられます。
読了直後のレビュー(ブクログレビュー)
朝起きたら、戦争が始まっていた。
そんな書き出しで始まる、戦争の被害に合うもの、仕掛けるもの、戦うものの目線で描かれたストーリー
筆者の小説は、本当に考えさせられるというか、本当にこういう時代が来るのではないかと思ってしまうほど、描写がすごいなと。
かなり難しく、読むのにです手間取ったけど、面白く読むことはできたと思う。
何十年後かのとある帝国の戦争の話
とにかく、話がぶっ飛んでます。まず国民が全員「HP(HUMAN PHONE)」いわゆる、スマートフォンにAIが搭載されているものを持ち歩いて、その端末が所有者の性格に比例して成長し、所謂「掲示板荒らし」とかもやってしまうという、ホントにありそうな世界です。
そんなところで起きた戦争。そこで渦巻く政治家たちの思惑や、対抗勢力との対立、そこに巻き込まれる国民や移民たち。
様々な立場で、戦争が起こった時の悲惨さが描かれています。
国民は洗脳されてしまうのか
最後の場面で、今回の騒動を引き起こした張本人から語られる真実や、それに関わる自らの思想を語るシーンがあるのですが、これが「もしかしたら戦争がなくならない理由なのではないか」と考え込んでしまうほどでした。
とにかく、それから脱却できるためには「自らの意思で、きちんと考えて、情報を集めて、それに対処するように頭を使うようにしなければいけない」ということなんでしょうか。
私たちの周りは、どんどん便利になっていって、誰でも情報を発信できるようになり、また、AI技術も進化をしていて、どんどん「自分で考えていく能力」が退化していってると思います。
でも、それが国の策略だったとしたら…
って考え込んでしまいますね。本当にこの筆者の作品はすごいなと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。