「R帝国」(中村 文則 著)読了。日本の今後は、本当にこんな世界になってしまうのだろうか

やっぱりこの人の小説は、本当に考えさせられます。

読了直後のレビュー(ブクログレビュー)

著者 : 中村文則
中央公論新社
発売日 : 2017-08-18
読書日数 38日

朝起きたら、戦争が始まっていた。

そんな書き出しで始まる、戦争の被害に合うもの、仕掛けるもの、戦うものの目線で描かれたストーリー

筆者の小説は、本当に考えさせられるというか、本当にこういう時代が来るのではないかと思ってしまうほど、描写がすごいなと。

かなり難しく、読むのにです手間取ったけど、面白く読むことはできたと思う。

何十年後かのとある帝国の戦争の話

とにかく、話がぶっ飛んでます。まず国民が全員「HP(HUMAN PHONE)」いわゆる、スマートフォンにAIが搭載されているものを持ち歩いて、その端末が所有者の性格に比例して成長し、所謂「掲示板荒らし」とかもやってしまうという、ホントにありそうな世界です。

そんなところで起きた戦争。そこで渦巻く政治家たちの思惑や、対抗勢力との対立、そこに巻き込まれる国民や移民たち。

様々な立場で、戦争が起こった時の悲惨さが描かれています。

国民は洗脳されてしまうのか

最後の場面で、今回の騒動を引き起こした張本人から語られる真実や、それに関わる自らの思想を語るシーンがあるのですが、これが「もしかしたら戦争がなくならない理由なのではないか」と考え込んでしまうほどでした。

とにかく、それから脱却できるためには「自らの意思で、きちんと考えて、情報を集めて、それに対処するように頭を使うようにしなければいけない」ということなんでしょうか。

私たちの周りは、どんどん便利になっていって、誰でも情報を発信できるようになり、また、AI技術も進化をしていて、どんどん「自分で考えていく能力」が退化していってると思います。

でも、それが国の策略だったとしたら…

って考え込んでしまいますね。本当にこの筆者の作品はすごいなと思います。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。