本日は、朝の読書時間で読み終わった本を紹介します。
ブクログレビュー
読書時間 3時間50分(読書日数 12日)
「銀行総務特命」に続く短編集。
第一東京銀行事務部に配属になった花咲舞と相馬健が、銀行内部で起こっている問題を解決していくという内容になっている。
今年の春のテレビドラマの原作本。「銀行総務特命」に出てきた唐木怜とはちょっと違うタイプの花咲舞。唐木はクールでさらっとしているが、花咲は愚直に、それでいてがむしゃらな感じがする。ただ、共通しているのは「自分か正しい思ったら、どれだけ上司や権力者であろうが、お得意様であろうが関係なくズバっとモノが言える」という性格である。
この分かりやすい性格の花咲とコンビを組む相馬は、上司に対してなるべく穏便にことを運ぼうとする傾向にあるのだが、融資課の元エースという肩書きの通り、問題解決のキーマンにはなっていて、そんなバランスが読んでいて気持ちが良かった。
ドラマをみているのと同時進行で読んでいたので、話も分かりやすく、はいって来やすいものだった。(『新装版 不祥事』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ)
ドラマ化すると…
本著は、今現在放送中の「花咲舞が黙ってない」の原作本になっています。
前回のレビューで紹介した方もそうだったんですが、登場人物が違っていました。
少し前、ドラマの紹介で「女版、半沢直樹」として取り上げられていたと思いますが、読んでみるとそんな感じではありませんでした。
主人公の花咲舞は、基本的に「悪いものは悪い」と誰彼構わず言ってのける性格で、それを取り巻く人達は、みんな「銀行の悪しき慣例のなかで過ごす銀行員」みたいな感じですね。
「半沢直樹シリーズ」は、どちらかというと正論もさることながら、駆け引きなんかも相当やる感じでしたが、本著では駆け引き自体を主人公がやると言うわけではなく、むしろ簡単に勧善懲悪をやってのけるみたいな、テンポのよいストーリーという感じがしました。
出世のためなら周りの人間を蹴落としてでもやるとか「自分のミスは部下の責任」みたいなことを平気で言う上司など、そういう相手にどんどん向かっていく主人公。そんなストーリーが展開されていきます。
今回も短編集になっていて、1話完結で進んでいくのですが、前回同様、オチを書き切らないスタイルで、後の展開を読者に想像させるようになっています。
ドラマでは、どうしてもオチをしっかりつけておかないと番組として成立しないせいか、やっぱり原作とは少し違いがあります。またストーリー展開はにてるけど、細かな設定が違っていたりもしています。
ドラマの最後が気になるところ
本著の題名にもなっている「不祥事」という作品が、ドラマの鍵になりそうな気がしています。どんな風に脚色されるんでしょうか。楽しみではあります。
池井戸作品も、はまってきています。専門的な用語が沢山出てくるわりに、意外に読みやすく感じることが出来ますし、何より分かりやすいのがいいです。
というわけで、本日はここまでです。ありがとうございました。