本日は、本の紹介です。
マチネの終わりに
平野 啓一郎 毎日新聞出版 2016-04-08
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ブクログレビュー
かなり、読書日数がかかってしまったのは、読んでいてかなり切なくなるというか、主人公の二人の苦々しい出来事やそれにまつわる心情が、読んでいて物悲しくなることが多くて、読み進められなかったからである。
でも、これは「嫌な」イメージではない。だからこそ、最後に5年後に再開したシーンでは、数行しかないのに、かなりグッときた。
数回しか出会っていないのに「世界一愛した」とか、本当に運命の出会いだったはずなのに、それを、様々な出来事が邪魔をして、上手くいかなってのが、本当に読んでて歯痒く感じた。でも、それがこの二人の本来のものだったのかもしれないとも思った。
ものすごいせつない「恋物語」
11月10日放送のアメトーク『読書芸人』 第3弾で取り上げられた本をまとめてみた【本好き芸人】 – 積読書店員のつくりかた
この本は、最近放送された「読書芸人」で紹介された本でした。
この物語は、クラシックギタリストの蒔野のコンサート終わりに、ジャーナリストの洋子が楽屋挨拶に行ったところから始まります。
会話をした瞬間に「ものすごい合う」ことがわかった二人は、その後、二人きりで食事を楽しむことになります。そこで確信に変わります 「運命の人だ」と。 洋子は、フィアンセと別れ話まで切り出し、蒔野は「君が死ぬなら、俺も死ぬ」みたいな決意までさせるぐらいになります。
ですが、ここからなかなか一緒になれないのです。 洋子は爆弾テロに巻き込まれ、のちに亡命してきたジャリーナとの世話をするのに奔走することになり、一度蒔野と一夜を共にはしますが、それが返って足かせになるような感じになります。
蒔野は、洋子と出会ってからスランプになってしまい、追い討ちをかけるように師匠が大病を患ったことで、そのギター教室の面倒とかを見ることになります。 それでも洋子とのコンタクトを取ろうとしますが、ここで自分のマネージャーであった早苗が、邪魔をするのです。
最後は感動したけれど…
それがきっかけで互いの気持ちにズレが出来ることになり、全く違う運命を辿っていきます。洋子は元鞘に戻って結婚し、一人の男の子を授かりますが、2年後に離婚。その時一度、日本で蒔野のライブに行こうしますが、早苗に「来ないでくれ」と言われ、真相を告白されます。そこからまた葛藤の日々の末に、人権擁護に取り組むようになります。
蒔野の方は、その早苗と結婚、一人の女の子を授かります。かつての仲間とリサイタルを果たしますが、相手は、自分の音楽活動に悩みをきたし自殺。過去にそういうところまで落ちて、ギターを弾かなくなってしまったとことを思い出し、その時、横に早苗がいてくれてよかったと思うことになります。
ただ、蒔野も、洋子もお互いにその存在を潜在意識の中で感じ取っていたんではないでしょうか。最後、ニューヨークでのライブでのシーンは、本当にぐっとこ込み上げてきました。
このお話は、最後の数ページのために、長い振りがあったように思います。かなり途中、何度も切なくなってしまい読み進められなかったですが、最後はぐんと引き込まれました。
かなり読むのに時間がかかりすぎました。体調的な事もあったかと思います。
本日はここまでです。ありがとうございました。
マチネの終わりに
平野 啓一郎 毎日新聞出版 2016-04-08
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