本日は、読了した本の紹介です。
ブクログレビュー
読書日数 5日
今作も、テレビドラマの原作にもなっている(と言っても、一部だけであったが)
とある焦付き融資の責任を取る羽目となった主人公 黒部が、この裏に不正な金の流れがあったことが分かるが、その融資の決済をしてしまったがために、人事部扱いとなる。
だが、その人事部長の計らいで「臨店」という名目で、この不正を暴けと命じられる。
それからは、銀行での様々な問題点を解決していきながら、そこで信頼を寄せていく仲間からの情報により、自分が嵌められたことに気づく。
それを「銀行員」らしい追い詰め方で、不正を暴いていく。
最後は大団円なのはいつも通りだが、人事部長の力が及ばず、主人公の出向ご免れない事態になった時の主人公の考え方は、正に仕事をする上で、とても重要なことであり、また好きになった。
あと、逆に金に執着している人間の考えそうなことや、ヤミ金融に関する知識や、システム金融といった手口も説明されていて、勉強にもなった。
あと、不動産決済の場面も出てきたが、司法書士がやっていないという変わった場面だったので、興味深く読ませてもらった。(『銀行仕置人』のレビュー 池井戸潤 (prelude2777さん) – ブクログ)
正に「仕置人」
今回も、こちらの原作ということで、購入したものです。
花咲舞が黙ってない|日本テレビ
ドラマは相変わらず、面白く拝見することができましたが、今回の原作のエピソードの一つとして、今作品が使われていました。
本部の営業部次長として活躍していた主人公 黒部が、ある企業の融資の決済について判断を渋っていたのですが、上司の圧力で無理矢理融資をする稟議書を書かされることとなり、実行することになります。ところが1年後、その融資が私服を肥やすその上司とそれに関わる企業、それに群がる闇の組織によるもので、その不良債権を銀行に押し付け、その責任を押し付けられてしまいます。
主人公が、はめられた事実に気付いた時には、人事部預かりで、出向することを待つための「独房部屋」に入るとこになるのですが、そこの人事部長が「銀行を腐らせるな」という一言で、この不正を暴くために、急遽「臨店班」に所属させることにします。
銀行の臨店(検査)の仕事とは?裁量臨店とは別?花咲舞の業務内容とは?-えむえむNEWS
臨店の説明です!
人事部預かりで「臨店班」に所属。そこで、臨店調査に乗じて、銀行内部の不正を暴く。正に「銀行仕置人」ですね!主人公が人事部長と話すシーンが何度か出てくるのですが、これを思い出してしましました。
特命係長 只野仁 スペシャル|テレ朝動画
結構好きだったんです!
「誠実に生きる」ということに尽きる
今作では、銀行の常務と企画部長の特別背任を主人公が追求していくのことになるという話なのですが、自分も「(圧力があったとはいえ)融資の実行をすることを推した」ことにより、多額の焦げ付きを引き起こす結果となった以上、銀行としては、誰かが責任を取る必要があると言われます。なので、今作では黒部がその責任を負うということは免れないわけです。人事部長にも「出向は免れない」と宣告されてしまいます。
銀行に置ける「出向処分」とは「責任を取る方法で、いわば戻ることのできない片道切符」と言われています。つまり、出世コースから外れることになるということで、銀行員のキャリアとしては、ほぼ終わったも同然という扱いになります。その事実を突きつけられる中、真相究明に奔走します。
東京セントラル証券 半沢直樹出向と出世破綻
出向といえば、これですね!
ですが、不正を働いていたことがバレた常務から「出向したくないだろう。俺と一緒に銀行を立て直そう」というふうに進言されます。この時、主人公も心が揺れるのですが、
「確かに私は銀行員だ。だが、銀行員である前に一人の人間だ。銀行員であることより、重要なことがある。」(銀行仕置人 (双葉文庫)333P)
とビシッと物申して、これを断ります。私の場合は司法書士であるので、組織というものはありません(一人で事務所をしているので)が、不動産取引をするにあたって、売り上げ欲しさに、業者のいいなりになるということがあってはならないですよね。
ちなみに、今作で任意売却をするシーンが出てきたり、ヤミ金と組んでいた「再建支援センター」の相談員が債務整理をするシーンが出てくるのですが、やっばりおかしい(悪い奴らですので)かったです。任意売却で、業者が中間マージンを浮かせる手口が出てきましたが、私自身、よくわかっていなかったので、勉強になりました。
というわけで、今作も楽しく読むことができました。まぁまぁの読書スピードだったと思います。
本日はここまでです。ありがとうございました。