全体会では「エンパワメント」ということについて学びました。講師は筑波大学医学医療系の安梅勅江先生です。
- 関連 :
- 国際発達ケア:エンパワメント研究室
研修ログ
第1部 基調講演
- 社会生活を守っているのが法律家のプロである
- 医療の世界ではエンパワメントも学ぶ→司法書士にも学ぶということは嬉しいことである
- 仲間エンパワメントが肝である。
- 相手が動かなくては意味がない→相手を動かすことが「エンパワメント」
- 湧活(ゆうかつ)→活力が湧き出る。人が本来持っている素晴らしい、生きる力を発揮させる力を出させること
- 種類→「自分エンパワメント」「仲間エンパワメント」「組織(地域)エンパワメント」→それを組み合わせて「相乗エンパワーモデル」
- 人間は「愛玩動物」を可愛がる→眼差しがあるから(白目がきちんとあって、どこを見ているかが分かる)
- 褒められらる子は思いやりも育つ
- 自分エンパワメントには何が必要?(震災をきっかけに)→「希望」(夢)、自己効力感(マインドフルネス)、意味づけ(認知再構成)→相手に何が足りないのかについて、それに対するアドバイスをする
- 自分エンパワメント→仲間エンパワメントにシフト(自分がんばるゾウ→夢かなうゾウ)
- 待てる子を育てるには→信頼感、自己効力感、自信、安心感、参画、自己実現、未来への見通し、つながり、意味づけ→「しなやかさ」を育む(物事に柔軟に対応し、前向きに生きていける能力)
- 「組織(地域)エンパワメント」→なぜ支援するのかということを論理的に考える(エンパワメント支援設計)
- エンパワメントの基本→当事者の価値観、ニーズ、当事者ができることは何か→「知識」を伝えることが大事
- コミュニケーション、共感、動機付け、科学的根拠(論理性、予測妥当性)
- 共感→「共に感じている」だけではダメ。そこから学ぶ姿勢が大事(何かしなくてはと思わない。生きざまを教わる)
- 困った人→困ってる人から、出来るだけ「強み」を見つけてあげること
- エンパワメントのコツ→強みを見つける、認める、楽しみを共有する
- プロとは「当事者の力を最大限ひきだしてあげる」こと→新しい価値を生み出すこと
- AIの技術では到底「エンパワメント」はできない
- いかに楽しむか!
- プロは三位一体→哲学、科学、技術
第2部 パネルディスカッション
- 司法書士業務に「エンパワメント」を当てはめることで、いろいろ活用できるのではないか
- エンパワメントは「ビタミン」みたいなもの
- 債務整理の場面で「(仲間)エンパワメント支援設計図」を使ってみた→当事者が目標設定し、現状や背景を要因を「当事者主導」を徹底させる
- 生活再建をするためには、当事者に考えさせる必要がある。「一緒に考えていく」こと。
- エンパワメントの魅力→あなたと共に私がが変わっていく。
- 基本的に「任せる」という依頼者が多い中、どうやって「エンパワーメント」(当事者意識を芽生えさすはじめの一歩)を持たせるのか→当事者に将来(少し先)の思いを聞き出す。どうやってニーズに応えさせるのか
- 地域エンパワメント→誰でも参加できるような機会を作り、周りを巻き込んでいく→コミュニティに入り込んで司法書士が活躍する場面も増えていく
- 風土理論→互いの違う立場の人たちが、様々に絡んで、よくなっていくということ。
- 人と関わる時に大事なのは「ひねり」と「遊び」→少し違う視点で物事を見て、楽しむことで信頼関係を生み出すことができるAIではできないことである
- 司法書士は「何をやってるかわからん」→当事者と一緒に考えていくこと(エンパワメント技術)で、資格者から「より身近な」存在になった。
- 多重債務者がこれから増えてくる現状がある→青年会にそんなパワーがあるのか→周りを巻き込み、それを楽しむように持っていく
- 相乗エンパワーメントモデルでは「仲間エンパワメント」が重要
- 法律教室の最終目標→明確な対象がないからこそ「明確な目標」をきちんと設定する必要がある
- エンパワメントには発展段階(創造・適応・維持・発展)がある→コツもある
まとめ
基調講演では「どうやったら市民に寄り添える法律家」となれるのかということについて、かなり良い刺激をもらえたという印象でした。
で、その時に思ったのは
自分のやっていることに間違いがなかった!
ということでした。
今後も「依頼者に寄り添う」そして「依頼者に一緒に考えてもらう」という執務を心がけていきたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。