【読書】「あの家に暮らす四人の女」三浦しをん 著

本日は、本の紹介です。

ブクログレビュー

読書日数 10日

古い洋館で母と娘、ひょんなことから居候することになった2人、計4人の女史が繰り広げる、日常と非日常を織り成す物語

幼い頃に父親がいなくなり、母と娘で過ごしてきた主人公 佐知。40歳手前になり、何事もなく日常生活を送るが、母 鶴代が無駄にパワフルで天然キャラな感じが嫌気をさしている。

護衛(と言っていいのかはわからないが)でおる居候の山田翁は、先代の祖父の頃から仕えているのだが、そのことが鬱陶しくも思う。また、ひょんなことから知り合った同居人 雪乃とその後輩多恵美との日常生活の中で、幾つかの事件が起こるが、その時々に思う心情の変化や、「自分の人生とは何なのか」ということに気付き、彼女なりに前向きに生きていこうとする姿に、ほっこりさせられた。

鶴代の過去を振り返る場面で「善福寺のカラス」が登場したり、そのカラスに「家族を見守りたいから、側にいさせてくれ」という、佐知の父親が語ったりなど、ファンタジーなところもあり(ある、空巣に入られた時に、その父親が河童のミイラに乗り移って助けるという、結構ムチャクチャな展開あり)、読んでいて「はは」と笑える場面もあった。

最近、こういった物語を読んなかったので、読み進めるのが遅かったが、色々と物語を通じて「家族の愛とは何なのか。生きているということは何か」という筆者の問いかけに、考えさせられる作品でもあった。(『あの家に暮らす四人の女』のレビュー 三浦しをん (prelude2777さん) – ブクログ

現代版「細雪」

名作に見る住まい
ちょっと変わったご紹介です!

だということらしいのですが、読んだことはないので、全く分かりませんでした。

実際に、本の帯にも「谷崎潤一郎記念」みたいなことが書かれていましたね。ただ、読み物としては「ほんわかした日常」の物語でした。

主人公 佐知は四十路前で母親 鶴代と暮らしていたのですが、とあることで雪乃と多恵美が転がり込んできます。

幼少の頃に父親は出て行ってしまい、そこからは先代の頃からお仕えしている山田翁が父親代わりで育ってきましたが、最近では邪険にしてしまいます。

そんな5名で日常を生きていく中で、「突然の部屋の水漏れで、業者の若者に佐知が恋するが、1日で失恋する事件」や「開かずの部屋から出てきた河童のミイラに、父親の魂が乗り移り、空巣に脅されていた佐知を救う事件」等、ほっこりする事件が起こります。

その中で、揺れる4人の心情の変化を、筆者独特の世界観で書き綴っている「おとぎ話」です。

相変わらずの「しをん」節


鶴代の過去を振り返る場面で「善福丸」というカラスが、長年にわたって見守ってきた様子を語っていくとか、出て行った父親「神田くん」の魂が、善福丸の側にいさせてもらうことで、この家族を見守っていく様子を、別の視点から(「神田くん」目線で)話していくとか、相変わらずこういう、ハチャメチャな設定は好きですね。

ただ、全体としては「おとぎ話」というふんいきが出ていたと思います。

でも、そんな中でも「人として生きていくには」ということも考えさせられる作品でもあったと思います。

今回のような感じの読み物は久しぶりな感じで、なかなか読み進められなかったというのが正直な感想ですが、それでも場面場面で笑えるところもあり、じわっと言葉が入ってくるところもあって、良かったです。

今回は単行本だったのですが、ちょっとぼろぼろになっちゃいました。

というわけで本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。