本日は、読み終わった本のご紹介です。
金融探偵 (徳間文庫) | ||||
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ブクログレビュー
融資課として勤めていた銀行が清算の憂き目に会い、職を失ってしまった主人公が、銀行時に身につけたスキルを使って「金融探偵」として、様々な困り事を解決していくという短編集。
銀行員としての未練を持ちながらも就職活動を続けている主人公 大原次郎。その世話になっているアパートの大家である宮尾幹ニが経営する銭湯がとある銀行に融資を断られるという事態を受け、その交渉を頼まれることになる。
情報を探っているうちに、融資を止められてた理由が、銀行の支店長の弱みを握った輩会社が裏で糸を引いていたことを知る。で、その相手方のに勤めていた元同僚がいたのだが、対峙する時に「なんのために仕事をするんだ?」と嗜める。
今作は短編が7編入っていたのだが、切り口が面白かった。ファンタジックな話も掲載されていて、新たな発見があった。
これは、是非実写化してほしい。というか、したら受けそうなきがする。
新たなジャンル「金融探偵」
今まで、池井戸作品としては「銀行員(エリート)」「学校の先生」「庶務行員」など様々な職業の人たちが「銀行ミステリー」の主人公として謎解きをしていくというものが多かったように思いますが、今作品では、今までにない職業です。
主人公の大原次郎は、とある銀行が清算の憂き目に遭ってしまったために、30歳にして失業をしてしまいます。銀行では融資担当を経て審査官という、エリートコースをたどっていただけに、この状態はショックだったようです。面接をしていくのも銀行なのですが、結果は散々。落ち続ける日々を過ごし、悶々と過ごしています。
そんなある日、住んでいるアパートの大家さんの経営する銭湯で銀行からの融資を断られるという事態が発生します。大谷の宮尾幹二が途方に暮れていると、娘の梨香が大原が元銀行員だったというこということを思い出し、大原に銀行との折衝を依頼することになります。これが後に「金融探偵」としてやっていくことのきっかけとなるわけです。
その後の展開は、レビューにも書いたのですが、
というテーマで進んでいきます。
このエピソード以外に6編、読切として掲載されています。
ぜひ「ドラマ化」を望む!
これまで池井戸作品を数多く読んできました(と言っていいと思います!)が、この作品は、一風変わった感じがしました。
「経営コンサルタント」とはまた違うというか、不思議な職業だと思いました。人探しの仕方も「金融知識」の観点から探っていくというアプローチがあったり、歴史上、重大な資料が出てきたのを、その資料に記述されている「お金の流れ」から持ち主を当てていくといった手法など、結構新鮮でした。
池井戸作品はこれまで、たくさんドラマ化されています。
日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビ
ぜひ、この作品もドラマ化して欲しいです。
というわけで、本日はここまでです。ありがとうございました。
金融探偵 (徳間文庫) | ||||
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