昨日は、私の担当した中央新人研修会の「事例検討による倫理の研修」が終わりましたが、新人さんの研修の旅はまだまだ続きます。
本日は中央新人研修後期日程の3日目で、民事訴訟の基礎でもある「要件事実」についてと、民事訴訟の実務について座学で学んでいきます。
この研修最大の山場です
「要件事実論」とは
要件事実(ようけんじじつ)とは、一定の法律効果が発生するために必要な具体的事実をいう。民事訴訟において、各当事者は、自分に有利な法律効果が認められるためには、その要件事実を主張・立証しなければならない。
民事訴訟法学上の「主要事実」とほぼ一致するが、主要事実という語が主に学問上使われるのに対し、要件事実という語は裁判実務で利用されることを念頭に使われることが多い。(要件事実 – Wikipedia~一部省略~)
要するに「訴えを起こす為には、裁判所で使われる専門用語に翻訳する必要があるので、法律に書いてある条件(要件)が実際に行われたか(事実)どうかを検討して証明するために必要な知識」なんだと思ってもらって結構だと思います。
一例をあげてみる…
例えば「茶碗を売ったのに代金もらってない。金払ってくれ!!」と訴える、いわゆる「売買代金の返還請求訴訟」を提起するには、その前提として「売買契約が成立したんだよ」と裁判所に説明する必要があります。
ここで民法第555条を見てみますと
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
と書かれています。
では、裁判所に説明するのに必要な「売買が成立するための条件となる事実(要件事実)」とは何になると思われますか?
「(売買)契約書をにサインをした事」ではなく「あるモノを一定の金額で売り渡すという契約(売買契約)を口約束でもいいから結ぶ事」になるんです。
こういった「裁判所でのお約束事」を、様々な事例を使って新人の皆様に疑似体験してもらうというのが「特別研修」であり、その100時間研修を受講しなければ「簡裁訴訟代理認定考査」を受験する資格が与えられません。それを踏まえた事前の研修会が本日と明日との2日間で行われます。
法務省:司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定
ちょっと難しめに書いてありますが….
これが終われば…
【司法書士会】日帰り弾丸東京ツアー:2月から始める今年度特別研修のチューター事前研修に行ってきた | 司法書士会 | ミナトノキズナ
私は、先日の投稿にも書きましたが、今年度の「特別研修」のチューターに選任されています。担当させてもらう受講生に少しでも「裁判所のお約束事とは、こんな感じか」というモノを少しでも持ってかえってもらえる様、鋭意勉学中でございます。
で、今日も昨日に引き続きこちらに来させてもらいました。
本日は、どちらかといえば「運営に関する注意」についての最終打ち合わせでした。確かに予習も必要なのですが何せ長丁場ですし、研修を通じて「提出課題」が何度かあります。そこのスケジューリングの確認が一番重要なんです。
受講生に負担にならない様に、それでいてスムーズな研修運営に力を添えなければならないのが、このチューターの最大の使命なのです。
何とか打ち合わせも終わりました。コレをもとに研修スケジュールを考えて、本番に臨もうと思います。
本日はここまでにしておきます。有難うございました。