昨日(2014年9月29日)は消費者法務部会での報告会でした。
「未成年取消制度」の本当の意味
先日のエントリーでも書いたのですが、その報告会を受けて、先生方からいろいろな意見をいただきました。
なぜゴールデンウィーク後に態度が変わり取消に応じてくれたのか。ここは本当に謎だったんですが、
「時期的にみて『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』についてのパブリックコメントがちょうど出そろってきて変わった時期だった」とのことでした。
この時に「準則」が変更されているのですが、その中に
「詐術を用いた」といえるかについては、画一的な判断ができるものではない。未成年者が詐術を用いたと認められるか否かは、単に未成年者が成年者を装って生年月日(又は年齢)を入力したことのみにより判断されるものではなく、当該未成年者の年齢、商品・役務の性質、商品の対象者、事業者が設定する年齢入力のための画面の構成等の個別具体的な事情を考慮した上で実質的な観点から判断されるものと解される。(電子商取引及び情報財取引等に関する準則i.61p)
とあります。つまり「未成年者がクレジットカード情報を入力したからといって、即座に未成年の詐術とは言えない」ということになります。
その、課金がされた時の状況(ゲームの種類や課金のフォーマットなど)を考慮して「成年者の課金だ」と確定しなければ全て未成年の扱いになり、取消の対象になるということになります。この準則が出たことにより、全ての取消に応じる形になったと思われます。
ですが、これだと「言ったもの勝ち」になりかねないなぁと思いました。確かにデベロッパー側が悪いのはそう思うんですが、同時にユーザー側にもそれなりに責任があって然るべきだと思っていたからです。
ですが「未成年取消の真の意味」が
「未成年は何かと未熟である。そういった『詐術する』といったことも含めてそうなのだから、そういったものを全力で守ってあげるという考え方が根底にある」とのことでした。
それに、防ぐ手立てはあるのではないかという意見がでました。
例えば、携帯電話を契約する際に親が主契約をするにしても、子供が使う場合は本人確認をしないといけません。
携帯電話には一台一台「個体識別番号」があり、それはキャリア側が情報として持っていることになります。そういう情報がデベロッパー・プラットホーム・カード会社間で共有できるのならば、こういう問題は起きないんだという指摘です。個人情報の観点からいうと厳しいのかもしれませんが。
携帯電話・個体識別情報(個体識別番号)の取得方法、uid、iモードID(guid)、EZ番号、端末シリアル番号 – [ドコモ、au、ソフトバンク]
ですが、こういった「日本の未成年」を守るために、企業側も努力する余地があるにも関わらず、ただの画面認証だけで片付けてしまうところに問題があるということでした。確かにそういう見方もできるなぁと感じました。
まずは一旦ご相談を!
こういう取り組みが行われている今、場合によっては対応してもらえるところもあるかもしれません。悩まれている方がいれば、ぜひ相談していただきたいと思います。兵庫県司法書士会主催の無料相談会も、ぜひご利用いただければと思います。
というわけで本日はここまでにしておきます。ありがとうございました。