【読書】「ゼロワン」深山 亮 著

本日は、朝の読書時間で読み終わった本を紹介します。

ブクログレビュー

読書時間 3時間40分 (読書日数 11日)

群馬の僻地で巻き起こる、司法書士業務にまつわるミステリー短編集

事案としてはよくあるものではあったと思うが、ここまで書けるのかというくらい良かった。

同職として、職務上の執務態度について考えるいい機会になったし、また会務でのやりとりなんかも垣間見えて、面白かった。

他の作品も読んでみたいと思う。(『ゼロワン 陸の孤島の司法書士事件簿』のレビュー 深山亮 (prelude2777さん) – ブクログ)

現役の司法書士が書いたミステリー

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こういった形で司法書士業務を知ってもらえるというのはいいことだと思います。

「ミステリー」となっていますが、殺人事件がバンバン起こるというのではなく「司法書士の懲戒事例」になるような事案が取り扱われています。

「遺産分割協議」に隠されたエピソードや「遺言書」を偽造した先にある家族の隠された思いなど、なかなか出会えない事例ではあると思うのですが「ゼロワン地域」いわゆる法律過疎化地域で営んでいる司法書士事務所では起こりうることかもしれません。

また、会務を行う場面も出てきて、群馬司法書士会が「司法書士を売り出していくためにどうやって広報をしていくのか」について協議をしているのですが、そこに出てくる先輩後輩のやりとりが「会務あるある」になっていて、面白いなぁと思いました。また、その後に必ず飲み会があってというくだりも、そうでしたね。

業務の指針にも少し参考になった

さすが、現役の司法書士の先生が書かれているだけあって、相談に対する受け答え方、何をチェックしたらいいのかという事など、参考になる部分が結構ありました。「戸籍に書かれている死亡事項が何時何分とまで書かれていない場合は、自殺の可能性が高い」ということは知らなかったです。他にも豆知識になるような事がたくさんありました。

また、短編ということもあって読みやすかったと思います。

司法書士であれば、話が頭に入りやすい小説です。でも、そうでない方も楽しめますし「司法書士はどんな考え方で業務に携わり、どれほどの責任を背負って業務をしているのか」が小説を通じて分かる一冊になってと思います。他の作品も読みたいですね。

本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。