【司法書士会】「離婚に関する実務と養育費問題」をDVD研修してみた(研修ログ)

今週の日曜日(8月7日)に「養育費の相談会」が全国青年司法書士会主催で行われます。

「全国一斉養育費相談会」を開催します。 | 兵庫県青年司法書士会

初めての「家事事件関連」の相談会に参加!

ちょっと頑張ってみようかと!!

ちょっと頑張ってみようかと!!

私は、司法書士になってから、相談会には積極的に参加してます。
【司法書士会】「熊本地震災害一斉相談会」に参加!熊本地震の爪痕を感じながらも、相談者の悩みに向き合ってきた | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
先日の熊本の相談会参加レポです。

しかし、家事関連のもの(成年後見など)の相談会には、参加したことがありませんでした。というのも、どこかに業際問題になってしまうのではないかという、後ろめたさ(?!)が出てしまっていたからです。

ですが、今月は「問題から逃げない」という生活目標もあったと言うことで、思い切って参加すると決断したので、先々週に事前研修会が開催されたので参加しようと意気込んでおりました。ところが研修会当日に「食あたり」になってしまい、いけなくなる始末!最近体調を壊していなかっただけに、むちゃくちゃ悔しかったですね。

どうしようかと思っていたら、副会長さんから「和歌山(やったかな)で行われた研修の模様をDVDで借りれたので、見れますよ」といっていただいたので、コレは見よう!と思ったわけです。

こんな感じでやってみました。そして、聞き終わったときに「すごくためになった情報も多かった」と感じることが出来たので、研修ログとして起こしてみようときめました。
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今回の研修会の講師は、全国青年司法書士会 人権擁護委員会の川上真吾先生です。

川上司法書士事務所
先生の事務所HPとなっています。

研修ログ

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  • キーワード「子供食堂」「学園支援ボランティア」「フードバンク」→民間が運営(国が関与していない)
  • 子供の貧困問題は存在していたが、子供は声を上げることができないので、社会問題にならなかった
  • 6人に一人が貧困である→財政危機の高い国が子供も貧困になっている共通点がある。
  • 大人が一人の世帯(シングル)→54.6%が貧困状態→実は、バブル期からずっと高い
  • 母親の就業率→8割(正規4割)→収入も低め(月10万いかない人が多い)→年間就労収入が200万円いかない人が6割(ワーキングプア状態→非正規雇用の拡大)
  • 就労収入以外の収入が少ない→公的給付が少ない。養育費の受給も少ない。
  • 現物給付の少なさ→義務教育だけでもお金がかかる(小学校9.7万円、中学校16.7万円、高校24万円)
  • 保育料・幼稚園の利用料も高い(公的資金注入の不足)
  • 社会保障・税制に関する低所得者の高負担→所得の再分配機能が全然できていない
  • 子供の貧困から生じること→虐待・ネグレクト・子供の発育や情緒の不足・差別やいじめ
  • 貧困の固定化・世代間連鎖(大学の学費の高さ・奨学金問題)→高卒求人数の低下(8分の1)→大学進学率があがる
  • 養育費の取り決めをしているのが約4割。受給しているのは2割→養育費の受給が貧困解決の一助となる
  • 養育費の現状の問題点→①離婚時に決めなくても、離婚ができてしまう。②正しい理解がない③実効性がない(確実に払わせる手段がない)
  • 養育費の受給の効果→子供の貧困の改善(たった5000円でも子供の生活が変わる)家族との絆(離れて暮らす親との関係改善)
  • 裁判書類作成や相談を通じてできる(今までの実務で十分対応ができる)→新しいテクは必要ない
  • 寄り添う姿勢(伴奏者・支援型法律家)として活躍する場面→養育費に関する正しい知識を案内する。そして、現場の声を国に届ける
  • 「養育費は子供のためのお金である」→制度が脆弱なので、個別では解決できることが少ないかもしれないかもだが、めげずに支援する。
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  • 子供の貧困→児童虐待・労働問題・多重債務・奨学金問題・生活保護問題・児童養護施設などの問題とリンクしている。
  • 離婚の9割が協議離婚(半分は代理人なし)
  • 離婚請求訴訟→調停前置だが、自動的に訴訟に移行することはない
  • 離婚の原因があるかどうかを必ず確認すること(民770)→法定事由に該当していない場合は調停決着がつけばいいが、離婚判決は難しいと説明する。
  • 法定離婚事由がなくても「相手が同意すれば」離婚ができる
  • 有責配偶者からの相談→離婚請求が認められる3要件を押さえる
  • 最低1時間は相談として聞く必要あり。
  • 離婚意思の合致を確認してから離婚条件の検討をすること!(逆にならないこと)
  • 「親権者・監護権者の指定判断基準」→監護の実績の尊重・子の意思・母親優先・兄弟姉妹の不分離・奪取の違法性の有無
  • 監護権者の決定に関しては離婚原因とは関係ない→あくまで「子供を育てられるのか」ということが判断基準である
  • 養育費→直系血族間の扶養義務(民877)請求権者は監護権者
  • まずは納得できる金額を決めてから→折り合いがつかない場合に初めて養育費の表を出す*個別の事情を考慮していないから。
  • 養育費は一括払いで(早くもらいたい・関わりを早く終わらせたい)→使ってしまうとだめなので「信託銀行」に信託してもらうということも考え方による。
  • 面会交流(民766)→Skypeでの面会もあり。第三者機関(FPIC)などを使うのも善し
  • 面会交流の不履行の場合の履行の確保→再度調停・間接強制できる場合→条項の定め方による。
  • 財産分与する際に、住宅ローンのある不動産がある場合は注意する
  • 財産分与の除斥期間は「離婚成立後2年」→裁判所に財産分与の審判の請求をすることが「離婚成立後2年まで」という解釈である!
  • 不動産による分与の場合→分与者には「譲渡所得税」取得者「不動産収得税」(居住用だと3000万の控除)
  • 慰謝料(民709)→該当しなくても設定したいと言われるが、裁判になった場合にはとれない場合もある。相場はない→類似の判例を紹介する。
  • 第三者に対する慰謝料請求の場合→場所は「人目に触れる場所(ファミレス)」とか「はんこを持って行かない」とか
  • 夫婦間→家事調停 第三者→民事事件(民事調停or訴訟)
  • 探偵自体を使うことは問題ないが「違法な調査をする探偵」には注意をする(相場としては100万)
  • 年金分割は「年金事務所」に2年以内に分割請求をすることが必須である!
  • 年金分割の対象は「2階部分と公務員等の旧共済年金の職域部分」に限られる。
  • 婚姻費用→別居中の生活費の分担
  • 取り決めや請求方法→公正証書(執行認諾文言をつける)
  • 合意が不可能な場合(相手がでないなど)→調停の申し立て
  • 離婚後の氏・子の戸籍→復籍(又新戸籍) 子の氏はあまり変更しない(いじめなどに発展する)
  • 明石市では児童手当の「まとめて支給」をやめる方向で動いている。
  • 家事事件については、離婚という分野が一番多い分野→司法書士が取り組んでいくことで「暮らしの法律家」として認知される→業際だけ注意する
  • 民事事件も一部家裁で扱う(養育費請求など)
  • 家裁申立書は裁判所のひな形を使った方がいい(簡裁とは逆)→独自で書きたい物は別途つくればいい(上申書とか)
  • 中分類が重要→別表1(甲類)審判のみで当事者が対立していない(子の氏の変更、相続放棄など)
  • 別表2事件(乙類)調停による解決を目指し、調停が成立しないときに審判になり(自動的に審判に移行する)最終的に判断してしまうことになるので、注意が必要
  • 離婚は「一般調停事件」だが、取り決め全般は「別表第2事件」
  • 離婚は調停前置→調停不調だと審判は請求しなければならない(自動的に移行しない)
  • 取り下げの制限の明文規定(後見・保佐及び補助の開始)
  • 申立書の写しの送付(法67)→手続きの透明性の確保(1回目から実質的な話し合いが出来るように)→申立書に感情的なことを書いてしまうことで、調停が旨くいかないことがある→「事情説明書」に別途書く。
  • 調停は本人出頭の原則→代理人がいたとしても「本人が必ず出る」(本人が主役である)→司法書士がついていくことも意味がある(本人に代理人がついていないことが多いから)
  • 家事調停とは「合意による解決」→民間の方が気軽な感じで出来るようになっている(高度な法律用語が飛び交うようなことにはなっていない)
  • 裁判官は最後にしか来ない!(調停は調停委員がすすめる)
  • 待ち時間が長いので、そこで信頼関係ができる
  • 調停は緊張しているので、待ち時間でその時のことを聞いて,メモを取っておく(忘れないうちに)
  • 調停委員で法的に弱い部分の方がいること。誘導する人もいる。
  • 調停の申し立てにおいて、書面の違いを確認しておく(事情説明書・回答書・意見書)
  • 調停調書の正本を必ず送達してもらうようにしておく。
  • 「調停に代わる審判」も、よく使われる。
  • 支払い意欲を持たせるようにする→「子供の成長に欠かせないもの」
  • 夫婦として分かれても「父母として」新しい人間関係を築くようにするように!(子供のために)
  • 子の意思の把握と考慮をすること!!
  • 調停で養育費を定められている場合には執行分不要→将来分もまとめて差し押さえ命令取得が可能
  • 一般債権とは異なって「養育費に関しての差し押えは相手方の給与の2分の1まで」→効力が強すぎるので、相手方との関係が旨くいかなくなる恐れがある(あくまで「子供との関係」を重要にするため)
  • ゆうちょ→「貯金事務センター」単位で特定すれば良い(各県にひとつしかない)
  • 第三債務者から取り立てたら裁判所に「取立届」を出す(毎月あれば、毎月出す)
  • 履行勧告は便利(人訴法38)申し立て費用は無料で電話でも出来る
  • 履行命令(財産上の給付に限定)→ほとんど受け付けられない!
  • 早ければ来年に義務履行をしないものの銀行口座を家裁が調査してくれる制度が出来るかも
  • 養育費の実際→圧倒的に決めていない方が多い
  • 同意した内容を変更するのは大変である
  • 口約束で決めている場合は、相談者の生活状況を考えていないこともある(取り決めの段階で実際的に考えていく)
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  • 弁護士法との問題→裁判書類作成業務(養育費は民事債権だが、家事事件(家裁管轄)なので交渉は出来ない)養育費の交渉は基本的にはない(相手と交渉する必要も無い)→「離婚事件」を扱ったからといって、直接弁護士からクレームが来ると言うことはない。
  • 感情的に配慮することがとても重要になる。(いろいろなとこで聞いているので「話を聞いてもらいたい」と言うことが重要になる)相手の立場に共感することにすることが重要になる
  • 調停離婚をされている人は、弁護士や裁判官に不信感を盛っていることがある。
  • 依頼者の真意をきちんと理解する。
  • 誰のためにやるのか→目の前の依頼者だけなのか(子供のためにやるべきである)
  • 履行の確保が出来ていないので、粘り強い取り組みを!
  • あくまでも「当事者が主体である」→「伴奏者」としての法律家を目指す!
  • 報酬→法テラス基準(30000〜62000)弁護士は1件20万なので、司法書士だとかなり破格!
  • 相談業務に従事出来るようにしたようにした方がいい。

まとめ

真剣に取り組みます!

真剣に取り組みます!

実を言うと「司法書士が離婚問題を取り扱っていいものなのか」という疑問がずっと奥底にありました。
というのも、基本的に「家庭裁判所」が管轄で行われる物なので、家裁事件の代理権を持っていない私たち司法書士は、そういったことに首を突っ込みすぎることでいいのだろうかと、ずっと思っていたからです。

活動をしている先生方には申し訳ないが「何をかっこつけてんねん」みたいな思いを私が持っていなかったといえば嘘になります。

ですが「離婚調停は当事者が主体となってやらないといけない。たとえ代理人を立てていたとしても、本人は基本的に一緒に参加をする」ということや「待ち時間が結構ある中で、司法書士が同伴することで、調停で緊張していた当事者を和ませる役割がある」など、意外と司法書士も活躍できるのかもという認識を持つことが出来ました。

あと「業際問題は何も、離婚問題だけじゃない。どの業務もそうなのだから、同じように考えていけばいいのだ」という言葉も、結構胸にくるものを感じました。

また養育費の認識も変わりました。養育費は「子供のためにあるものだ」ということ。そういったことを思いながら相談業務に携わっていこうと思います。

今週の電話相談では、なんとか実践していきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

本日はここまでです。ありがとうごさいました。

プロフィール

岡田 英司
岡田 英司
神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。

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