司法書士としては、やはり避けては通れないこの話題には触れておこうかと思います。
婚外子の相続差別は違憲 「確定事案に影響せず」 最高裁初判断 – MSN産経ニュース
東京新聞:婚外子相続差別は違憲 最高裁初判断 家族の多様化考慮:社会(TOKYO Web)
民法第900条に「法定相続分(法律上の相続分-原則-)」として次の様に決められております。
(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
- 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
- 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
- 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
- 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
ちなみに婚外子(非嫡出子)とは「事実婚」など、法律上の結婚していない(籍を入れてはいない)男女の間に生まれた子供のことです。その子と実子(嫡出子)との相続分に差を付けていた事に付いて、最高裁まで争われました。
現行民法は相当時代にあってない
民法は明治時代に制定されて以来、改正はそんなにされていません。平成23年に大改正があったとはいえ、こと家族法(親族・相続編)に関してはほとんど変更がありません。
一昔前は「結婚してから子供を産んで〜」と言うのが当たり前だった様に思います。が、最近では「できちゃった結婚」は当たりになってきてますね。結婚に対する考え方が変わってきている様に思います。
この「時代遅れの民法」に関しては、非嫡出子の相続差別の問題だけではなく、嫡出の推定問題(民法772条第2項)も話題になっております。
今回の判決をうけて
今回の判決をうけて、国会では民法が改正される事になると思います。
ただし法律と言うものは、改正される前に決まってしまった相続に付いては遡って適用する事はありませんので、その辺りは勘違いされない様にしてください。
また、相続は被相続人が死亡したときに開始します(民法882条)ので、亡くなった日が基準となります。ご留意ください。
また、まことしやかに債権編(民法第339条〜第724条)も改正されると噂が流れております。相当大きなかわりかたをするものだと予想されます。
法務省:民法(債権法)の改正について
お知らせ|日本司法書士会連合会
随時、情報は追っていきたいと思います。
本日はこの辺りにしておきます。有難うございました。