先日こういう大きな事件と、それに伴う投稿がありました
商業登記の申請代理における本人確認(2) – 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG
休眠会社売買:司法書士が書類ひな型作成 詐欺に利用- 毎日jp(毎日新聞)
「犯罪収益移転防止法(GK法)上の確認」と私たちの確認業務との差異
私たちの業務の中には「ヒト・モノ・イシの確認」という、司法書士として大きな、それでいてごく当たり前な業務があります。
不動産登記においては、当事者すなわち名義書き換えを受ける方々との意思確認だったり本人確認だったりすることは容易ではあります。
ですが、「会社の本人確認」とはどういうことをさすのでしょうか。
犯罪収益移転防止法(以下、GK法)では、こうなっております。
第四条 特定事業者(司法書士も含みます)は、顧客等との間で、「特定業務」(会社の設立や変更に伴う登記手続)代理~(中略)~を行うに際しては、主務省令で定める方法により、当該顧客等について、次の各号(司法書士にあっては、第一号)に掲げる事項の確認を行わなければならない。
一 本人特定事項(自然人にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい、法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。)
二 取引を行う目的
三 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 (犯罪による収益の移転防止に関する法律より抜粋)
ですが、この「特定業務」には入らない業務ではあっても、司法書士法上適宜の方法により確認を行う義務はあり、それにともなう記録や資料については、一定期間は記録を保存しておかなくてはいけないことになってます。
今回の事件は「GK法に入っていないから、別にいいでしょ」的な、いわゆる「法律屋」(法律論をタダひけらかす人達のことを、私は、こう呼んでます)が引き起こした事件だと思っております。
もし、業務として関わるのであれば「関わった相手を幸せにしなければならない」し、その為には「やってはいけないことはいけないと言わなくてはならない」ことが重要なんだと思います。
実際のところ「社長様と直接お会いして、本人確認をとる」等といったことは、会社が大きくなればなるほど出来なくなっていくと思います。その中でも「企業様にとっても、そこから請け負って登記手続をする私たちにとってもよいと思われる確認業務とは何か?」を探っていかなくてはいけないだろうと思います。
本日はこのぐらいにしておきます。ありがとうございました。