【読書】「握る男」原 宏一 著

本日は、読み終わった本を紹介します。

握る男 (角川文庫)

原 宏一 KADOKAWA/角川書店 2015-03-25
売り上げランキング : 5040

by ヨメレバ

ブクログレビュー

読書日数 14日

とある寿司屋で働く事になった主人公が、その他弟弟子から「この寿司屋を乗っ取ろう」と持ちかけられ、そこから怒涛の快進撃を続けていく27年間の壮絶な記録。

自分がのし上がっていくためには、ますマハに人の「キンタマ」(弱み)を握ることが重要で、そのための情報収集に余念を怠らない。こういう徹底した意識を持つ必要があるのだとゲソ(弟弟子)から教わる。

主人公も、それについていくことで段々権力の魔力に取り憑かれていくのだが、それがあまりにも凄くなりすぎていくと、人の弱さというか、疑心というか、そう言ったものに自分も支配されていってたんだと気付き、後悔の念にかられていく。

最後は「えっ!」という結末だったが、読んでいていろいろ考えされられた。

「何のために仕事をするのか」

これを読めば、そんなことを改めて考えるきっかけになると思う。(『握る男』のレビュー 原宏一 (prelude2777さん) – ブクログ

いろんなものを「握る」男の話

まあ、いろんなものを「握って」いくわけなんです。

まあ、いろんなものを「握って」いくわけなんです。

この物語の入り方が、ちょっと斬新でした。独房に入れられた主人公 金森が、四半世紀一緒に共にした徳武光一郎(この話では「ゲソ」というあだ名)の自殺を知ることから始まります。

食というものを通じて日本を牛耳ってした、いわゆる「日本のキンタマを握った」男の謎の自殺。なぜそうなってしまったのか?それを考えていくために、主人公自身に起こったことを四半世紀に渡って振り返っていきます。

今から、27年前、何の目的もなく『つかさ鮨』に入った金森は、後から入ってきた「ゲソ」の鮨を握る才能に惚れるのですが、それだけはなく「人たらしの人たらしたるもの」に脅威を覚えながらも、これについていったら物凄いことになっていくのではないかと悟り、ゲソの側近としてイロイロとやるようになります。

「ゲソ」は先ず、この『つかさ鮨』を乗っ取る計画を立てます。そのために人脈を、様々な手を使って見事に育てていきます。時には卑怯とも言えるような方法を使ってでもです。そして、自分のやり方に刃を向けようものなら、その育ててきた人脈を使って抹殺していきます。

そして鮨屋の乗っ取りに成功すると、斬新なコンセプトでチェーン展開をしていきます。それと同時に「食材の卸業界」に手を伸ばし、出来るだけ自分たちの有利になるように仕向けていき、誰も「徳武グループ(「ゲソ」鮨チェーン)に逆らえなくなっていきます。

実権を「握った」人間というのは恐ろしいもので、どんどん上を目指すようになるのと同時に誰も信用しなくなり、最後には訳のわからない「コンサル」の言うことしか信じなくなります。それでも金森は忠実にその職務を全うしていくのですが、いつしか「権力に振り回される人生を歩んで、何が楽しいのか」という疑問が湧くことになります。

最後は「何のために上を目指し、働くのか」ということが言われています。

設定と描写が面白い!

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この作家さんは初めてだったのですが、描写が本当に面白かったです。実を言うと、FM802でこの本の紹介を聴いた時から気になっていて、手に取りました。

この話の中では、様々な「握るもの」が出てきます。鮨屋の話なので、当然ですが「鮨」も握りますし、その鮨屋の乗っ取りによって「つかさ鮨の実権」を握ります。
それから人の「弱み」(それをゲソは「キンタマ」と称してましたが)を次々と握り、最後は「日本の全て」を食から握流という、物凄い段階を踏んでいく成り上りストーリーとなっています。

ですが、こういった人間の最期はロクなものじゃない訳ですね。しかもオチに意外性がありました。

途中に出てくる鮨屋の描写も結構知らなかったこともあり、またゲソ鮨チェーンの展開をしていくにあたってのコンセプトが、また面白くて「ほんまにコレやったら、流行りそう」って思っちゃいました。

今年初めての読破となりましたが、結構時間はかかりましたね。今年も、こんな感じで続けていこうと思います。

握る男 (角川文庫)

原 宏一 KADOKAWA/角川書店 2015-03-25
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by ヨメレバ

本日はここまでです。ありがとうございました。

プロフィール

岡田 英司
岡田 英司
神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

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