【司法書士業務】司法書士の専門家責任㉑〜登記申請代理における善管注意義務と倫理〜

本日は「司法書士の専門家責任」のレビュー第21回です。

【司法書士業務】司法書士の専門家責任⑳〜登記申請代理における善管注意義務の諸相〜 | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
前回はこちらです。

司法書士としての職責とはなにか?

いろんな司法書士がいますが、思いはひとつです!

いろんな司法書士がいますが、思いはひとつです!

これまで、この「司法書士の専門家責任」という本を通じて、司法書士業務、とりわけ「登記申請手続代理業務における職責(善管注意義務)とはなにか」ということについて見てきました。

司法書士は、不動産登記申請に必要な書類を作成し、取り揃えて登記申請行為をすべき債務を負うところ、依頼者の委任の趣旨に沿って、法律専門職として備えていてしかるべき知識・情報・技能に基づき、公正かつ誠実に登記にかかる事務を行うべきであり、登記必要書類の真否・登記申請意思確認の存否等について相応の手段・方法による調査・確認、さらには依頼者に対して適宜な説明・通知・指示・助言をすべき義務がある。(司法書士の専門家責任p285)

ということが大前提です。

登記申請代理業務においては、執務の目的は、登記申請に必要な書類を作成し、取り揃えて登記申請を行い、登記を実現することである。
(中略)
実体的にこうした合意がなされて初めてその旨の登記申請ができるのである。そのように考えると、司法書士が入れ智慧をするような助言ないし情報提供をすることは、司法書士倫理51条ひいては司法書士法2条に反することになるといえよう。(司法書士の専門家責任p286~287)

つまり、実体上のことに即して登記を実現することが司法書士の使命であり、「(実体上ないことを)小手先でなんとかするのではない」ということを、改めて認識しておく必要があります。

言い換えれば

「なんとするのは司法書士ではなく、『依頼者自身』である」

ということになるのですが、いくらそうであったとしても、依頼者がなにも入ってこなければ、こちらからアプローチしなくていいのでしょうか?

インフォームド・コンセントを得ること!

OZPA87_shinsatusuruisya20140321500
「インフォームド・コンセント」というのは、

〔説明をうけた上での同意の意〕医師が患者に診療の目的や内容を十分に説明し,患者の同意を得ること。
インフォームドコンセントとは – コトバンク

とあるように、医療の専門用語のようですが、本書においては、

インフォームドとは情報を付与されるという意味、コンセントとは同意という意味であり、情報を付与されたうえで同意するということ(司法書士の専門家責任p289)

と定義されています。この依頼者からの「インフォームド・コンセント」を得ることがどうして必要かというと、

相談者に問題状況を説明し、事件を受任する場合は承諾を得ることが必要であり、これによって、相談者は事件依頼者(委任契約の委任者)となる。
(中略)
インフォームド・コンセントが必要とされるのは、専門家と非専門家との間には、圧倒的な情報格差・知識格差があることに由来する。すなわち、司法書士と依頼者との間の法的な知識、依頼者の希望する事柄を実現するのに必要な法的な情報の差は極めて大きなものがある。そのような圧倒的な情報格差をできるだけ埋めるために、法律専門職である司法書士は依頼者に懇切に説明をして、理解をしてもらわないといけないのである。(司法書士の専門家責任p289)

からです。私たちはどうしても「法律」というものを扱うものである以上、情報的に優位な立場にあると言えます。ですが「依頼者が専門家に頼ってくる」ということは、自分のやってもらいたいことを法的にきちんとした形にしてもらいたいという思いがあるからです。そうであれば、頼られた専門家である私たち司法書士は、その期待に応えるべく、わかりやすい説明を心がけなくてはならないと思います。

「専門用語を使わないようにする」ということをモットーに相談業務に取り組んでいますので、ぜひご利用いただければと思います。

というわけで本日はここまでです。ありがとうございました。

プロフィール

岡田 英司
岡田 英司
神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。

お電話一本すぐに行きます