前回からの続きになります。
「借主」ばっかり優遇されていいのか?
前回のエントリーでは、居住用の不動産の賃貸借契約については、「借地借家法」が民法より優先的に適用されて、
ということを書きました。
【司法書士業務】ルームシェアトラブルのお勉強④ 「不動産の賃貸借契約は借主有利」が原則です! | ミナトノキズナ〜司法書士 岡田事務所
前回の分です
このエントリーの最後に
オーナー(当然借主もですが)は「賃貸借契約というものは単純な契約とは違うんだ」という認識を持って契約をするべきで、慎重に事を運ぶ必要があるのです
と書きました。
不動産の賃貸借契約というものは「当事者間の高度な信頼関係を基礎とする継続的契約である」なのです。見ず知らずの人に「【不動産】という、自分の持っているものの中でものすごく高価な代物」を有料で貸すという行為なわけですから、気軽に「はい貸しまっせ!」というわけにはいきませんよね。
こういう契約を一旦結ぶと「双方で相当の信頼関係ができた」と考えられます。ですので、急に「出て行け」とか「勝手に解除」とかは当然できませんし、家賃の支払いが1回程度遅れたからといって「即契約解除」ということにはなりません。
これだと、
って声が上がりそうですね。
ですが、前回のエントリーでも
だからと言って、借主ばかりに有利でいいのかというと、そうは問屋が下ろしません!次回は「賃貸借の種類について」書いてみようと思います。
と書きました。
どうすればいいのでしょうか?
何事も「始まりが」肝心!
居住用の不動産を契約する際には、契約方法が2種類あります。これを以外に見落としているのではないでしょうか。
普通賃貸借
これは一般的な賃貸借契約です。基本的には期間が1年位以上と(1年未満だと「期間の定めのない」賃貸借)決まっていますが(大抵2年になることが多い)仮に、その期間が過ぎて、借主が居座り、そのことに異議を唱えなければ「期間の定めのない」賃貸借になります。
で、この「期間の定めのない賃貸借」になると、オーナー側からの解約申ししれには「正当事由」が必要になり、これについては前回のエントリー通り、なかなか認められにくいものになっています。
定期建物賃貸借
こちらは、期間を必ず定めます。(1年未満でもOK)そして、期間が来れば、当然に賃貸借契約が終了します。次年度更新という概念がないため、もし仮に賃貸借関係を継続させたいのであれば、「再契約」をし直すという方法をとることができます。
こちらだと、一定の期間がくるまでは解約をすることができませんが、次年度については「更新拒絶(というより「再契約をしない」という方法をとる)」することができることになります。
はじめのうちはお互いの関係性が良かったとしても、なんらかの事態で「信頼関係が崩壊する」ことがあります。そうなった時にオーナー側にも選択肢を持つことの必要性があるということです。
まとめ
もし、ルームシェアをしても構わないというオーナーは「定期借家契約」にしておいたほうがいいと思われます。というのも、借主側に問題が生じた場合、契約期間満了時にオーナー側が「再契約しない」という選択ができるからです。
もし借主側に問題がない場合には、定期借家契約を「再契約」すればいいわけですし、オーナー側にインセンティブ条項があることで、借主も「問題を起こしてはダメだ」という抑制が働きます。よって、双方にとって良い関係が続くことになろうかと思います。
定期借家契約については、こちらを参考にしてみてください。こういう選択肢を知っているだけで、不動産の活用方法も広がりを見せるのではないでしょうか。
定期借家契約とは? 定期借家Q&A|オーナーズエージェント – 賃貸管理・経営コンサル・不動産コールセンター
端的にわかりやすくなっています!
また、こういった「法律的な相談」を随時受け付けております。いつでもお電話でお問い合わせください。というわけで本日はここまでです。次回予告は、、、すいません。思いつきませんでした。ありがとうございました。