会社の本店を別の場所に移すことでビジネスチャンスや経費削減につながる事もあろうかと思います。
そこで、本日は会社の登記の中でもまあまあ多く行われる「本店移転」のことについて書いてみようかと思います。
そもそも「本店」とは
(住所)
第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。
株式会社(または持分会社)における事業を執り行う場所です。ちなみにそれ以外の法人では「主たる事務所」という言葉を使います。
第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
とあるように本店の場所は定款(会社における憲法のようなもの)で定めなければいけません。
会社法の条文では「本店所在地全部書く」ように思えるでしょうが、実は「最小行政区画」の記載まででもいいとされております。
本店の場所が仮に「神戸市中央区多聞通4丁目1-11」だったとしても、定款には「本店の場所は神戸市とする」と書くだけでいいのです。
何故こう書くことのがいいのかというと、仮に本店の場所を変更する場合、神戸市内であれば取締役の集まりで決めることもできます。
それに対して本店所在地を全部記載をしている場合、本店移転をする際には「定款変更をしなければならない」ので、株主総会でしか変更出来ず、定款も作り直さなくてはいけません。
頻繁に移転されることが想定される(ということはあまりないとは思われますが)のであれば「最小行政区画」でとどめておいた方がいいと思います。
本店移転登記の登録免許税の違い
本店を移転登記を申請する際に、登録免許税(法務局におさめる手数料となる税金)はいくらになるのかと言いますと、次の通りになります。
- 法務局の同管轄内であれば、3万円
- 別管轄にいく場合には、3万円×2の6万円
例えば、神戸から大阪のどこかに本店を移転するのであれば「神戸地方法務局に本店移転の登記」を出して「大阪の法務局に新たに会社の登記記録を作る」ということになります。だから、それぞれ3万円ずつかかります。
ひと昔前の阪神間で管轄が分かれていたので、例えば明石から神戸に本店を移転するのに、登録免許税は6万円だったのですが、今は「兵庫県全域」の管轄が神戸地方法務局に集中することになったので、兵庫県内での本店移転ならどこでも3万円で済む様になりました。
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本日はここまで、有難うございました。