【司法書士業務】自筆遺言書がみつかったら

久しぶりに業務の投稿をしてみようかと思います。本日は、遺言書のことについてです。

手書きの遺言書があったとき

出てきた時はあわてずに....
出てきた時はあわてずに….

亡くなった方の手書きの遺言書の封書が出てきたら、何をすべきなのでしょうか?

「封を開けて、中身を見る」

のではなく「検認手続の申し立て」の準備をしましょう。

検認手続きとは

遺言書(公正証書による遺言を除く。)の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。また,封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっています。(裁判所|遺言書の検認

とありますように、「自筆証書遺言の効果を発生させるために必要なもの」で「この遺言書は、立ち会いのもと裁判所にて封を開けたので、間違いなく本物です」というお墨付きをもらうための大事な手続きです。

申立をする前に準備するものは?

申し立てをするのに、「遺言者の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本」が必要になります。

基本的に相続人全員に対して「遺言書の検認申し立てがあった」ということを裁判所が通知をするので、相続人全員の所在を知る必要があるからです。

申立書には何を書けばいいの?

申立書については、裁判所のホームページからダウンロードして書きます。申立書の記載例も載っておりますので、「申し立ての趣旨」についても書きやすいと思います。

裁判所|遺言書の検認の申立書

どこに申し立てをするのか?

これは「遺言者がお亡くなりなった住所地管轄の家庭裁判所」に申し立てをします。

裁判所|裁判所の管轄区域
管轄はこちらでお調べください

手続きの流れ

提出した申立書及び附属書面に不備がなければ、裁判所から「検認期日」(裁判所に出向く日)を言われますので、その日に「遺言書の原本」を必ず持って行きます。

そうすると、裁判官が申立人の目の前で遺言書の封を開けます。そして中身の確認をすると、証明書と一緒に綴じてくれます。(証明書には収入印紙で150円が必要です)

注意すべきこと

勘違いしませんよう!!
勘違いしませんよう!!

この「検認」手続は、あくまでも「遺言書がホンモノかどうか」を確定させるためのものであって、「遺言書自体の効力を確定させるためのものではない」ということです。どういうことかというと、仮に手元に検認済みの遺言書があっても、後日「その遺言書よりも日付が新しい遺言書」が出てきた場合は、そちらが有効になります。というのも、遺言はいつでも遺言を撤回することができ(民法1022条)、新しい遺言が書かれることで「古い遺言を撤回したと考えられるから」です。

遺言書が出てきた場合には、今日の内容になることも含めてご相談にのりますので、お問い合わせくださいませ。

本日はここまでです。ありがとうございました。

この記事を書いた人

岡田 英司

神戸市にある湊川神社の西側で司法書士業務をおこなっております。

業務のこともそうですが、Apple製品、読書、習慣化その他雑多なことも書いていくことで「自分をさらけ出していって、少しでも親近感のある司法書士でありたい」と考えております。

お気軽に読んでいただければ嬉しいです。